近年、「墓じまい」という言葉を耳にする機会が増えました。これは、管理が難しくなったお墓を閉じ、遺骨を別の場所へ移す、あるいは自然に還すという供養の選択です。
なぜ、今お墓じまいが必要とされるのでしょうか?その背景には、単に継承者がいないという事情だけでなく、地域社会や他の参拝者への影響、さらには安全上の問題も深く関わっています。
この記事では、特に重要な2つの視点から「お墓じまいをしなければならない理由」について考えてみましょう。
■ 理由1:景観を損ね、他の参拝者に不快感を与える
管理されていないお墓、つまり「放置墓地」は、雑草が生い茂り、石塔が傾き、供花や線香の跡が風化して荒れてしまうことが少なくありません。そうした荒れた墓地は、周囲の景観に影響を与えるだけでなく、他の墓参者の心にも影を落とします。
特に共同墓地では、隣のお墓を訪れた人が、「ここだけ荒れたままになっている」と気づいた時、どう感じるでしょうか?
「ご先祖を大切にしていないのでは?」「誰も見ていないのかな?」といった心配や不信感を招き、墓地全体の雰囲気が損なわれてしまうのです。
墓地は、祈りと静寂の空間であると同時に、公共性を持つ場でもあります。他の方々の気持ちや、墓地全体の調和を保つためにも、お墓を維持できないと感じたら、責任ある対応として「墓じまい」を検討することが求められます。
■ 理由2:倒壊や災害による危険性
もう一つ、見過ごせないのが安全面の問題です。
長年手入れされていない墓石は、基礎の緩みや地盤沈下などで傾きやすくなり、地震や台風などの災害時には倒壊する恐れがあります。実際に、台風の影響で墓石が崩れ、隣接する区画の墓を破損した例もあります。
そうなれば、管理者が損害賠償責任を問われる可能性も出てきます。
「空き家問題」と同じく、「空き墓問題」も、社会的な課題となりつつある今、放置するリスクは想像以上に大きいのです。
■ 放置する前に「墓じまい」を考える責任
お墓を守るということは、単に家の中の仏壇を守る以上に、地域社会への関わりや責任が伴います。
墓地という場所は、多くの人が共有する空間。その空間を放置し、荒れたままにしておくことは、誰かに迷惑をかけているかもしれないという視点を忘れてはなりません。
■ 墓じまい=ご先祖との縁を断つことではない
誤解されがちですが、「墓じまい」は決して“供養をやめる”ことではありません。
むしろ、心からの感謝を込めて、ご先祖とのつながりを未来につなぐ「新しいかたちの供養」として受け止めるべきです。
海洋散骨や手元供養といった選択肢も増え、自分たちに合った方法で大切な想いを引き継ぐことができます。
もし、いま「お墓をどうするべきか」で迷っているなら、「維持できない」ことへの後ろめたさではなく、「責任ある決断」として墓じまいを前向きに考えてみませんか?
私たち一般社団法人まるっと終活大分支援協会では、墓じまいに関するご相談を無料で承っております。法的手続きや寺院への連絡、遺骨の移送、さらにはその後の供養方法までトータルでサポートいたします。
放置する前に、誰かが困る前に、まずは一度お気軽にご相談ください。
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