「私が死んだら、遺骨は海に還してほしい」

近年、こうした想いを生前から伝え、きちんと形に残す方が増えています。
海洋散骨は、火葬後の遺骨を海に撒き、すべてを自然に返す供養のかたち。
お墓を持たず、管理や継承の負担を残さないため、子や孫の世代にも選ばれることが多くなりました。
それと同時に「生前予約」をする人が増えています。人生の最期を自分で決めておくことは、残される人の心を守る優しさと同時に、心を導く道しるべでもあるのです。
なぜ生前に決めておくのか?
「葬儀は家族に任せたい」と思う人もいれば、「自分らしく送りたい」と考える人もいます。
海洋散骨に関しても「自分らしく」を子供たちに伝える早めの意思表示が重要です。
理由はいくつかあります。
◇ お墓を持たない選択だからこそ、家族の理解が必要
お墓を建てるのが当たり前だった時代から、
墓じまいや自然葬が選ばれる時代へと移り変わっています。
しかし、全員がその考えに賛同するとは限りません。
「本当に墓を残さなくていいの?」
「海に撒くなんて罰が当たらない?」
家族や親戚の中には、不安を口にする人もいるでしょう。
だからこそ、本人の口から「海洋散骨にしたい」と伝え、
「自分の望みだ」と共有することがとても大切です。
生前予約は、想いをきちんと契約に残し、
家族の納得を得るための手続きでもあります。
◇ 墓の継承の負担を残さない
少子高齢化、核家族化、そして子どもの都市部移住。
現代の日本では、「お墓を代々守る」ことが難しくなっています。
・お墓の場所が遠く、頻繁に通えない
・管理費の負担が続く
・子どもに墓守を任せたくない
こうした現実を前に、「自分の代で完結させたい」という想いが生まれるのは自然なことです。
誰かが墓を閉じる負担や、誰かが遺骨を引き継ぐ負担を未来に残さずに済みます。
◇ 万一の時に慌てない
人はいつ亡くなるか分かりません。
いざというときに「どうするのか」何も決まっていないと、
残された家族は混乱します。
「本人の希望が分からない」
「費用はどうするのか」
「お墓はどうする?」
このような不安が葬送の場にのしかかるのは珍しくありません。
生前予約は、「手続き・費用・希望の整理」を先に済ませておくことで、
大切な人たちが穏やかな気持ちでお別れできる土台をつくる行為でもあります。
生前予約で決めること
海洋散骨の生前予約は、主に次のようなことを決めていきます。
◇ 1. 散骨場所
・どの海域に還したいか(例:故郷の海、思い出の場所など)
海は無数に広がっていますが、遺族の気持ちを考えて「ゆかりのある海」を選ぶ方が多いです。
◇ 2. 立ち会いの有無
・家族も船に乗り一緒に見送る「お見送り海洋散骨」
・専門スタッフに委託しお任せする「代行海洋散骨」
お見送り海洋散骨は、船を家族で貸し切り、最後の別れを実感できる大切な時間。
まるっと終活大分支援協会の「生前予約」は、お見送りする家族がいる前提でお申込みをして頂きます。後のことは託せる人に任せましょう。代行海洋散骨でも、心を込めた写真や証明書が残り安心感があります。
生前予約の段階でこうした流れを確認しておけば、
亡くなった後もスムーズに進められます。
◇ 4. 費用と支払い
海洋散骨の「生前予約」費用は、19万8千円です。
生前契約では事前に支払いを済ませておくことで、残された人の支払いの不安を減らせます。
遺言書やエンディングノートとの違い
「遺言書に書いておけばいいのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、多くの場合、残された人は悲しみと混乱の中で判断ができずに「遺骨」をいつまでも手放せないものです。そこであらかじめ「生前予約」をしておくことは、残された人に対して、「いつまでも悲しみの中にいないで、新しいステージへ進む」心を導く道しるべとなるのです。
そのため、海洋散骨を希望する場合は、
エンディングノートと生前予約契約を併用することをおすすめします。
生前契約を交わしておくことで、残される人の心を守る優しさと同時に、遺族の「本当にそれでいいのか?」という迷いも軽減できるのです。
海洋散骨は“供養の放棄”ではない
海に還ることを「寂しい」と感じる方もいます。
けれど、海は人類共通の原点であり、
世界中どこにいても手を合わせられる場所でもあります。
「お墓がないと供養できない」
そう思う方もいるかもしれません。
けれど本当に大事なのは形ではなく、想いです。
散骨した家族の多くが、
「きれいに送り出せてよかった」
「心が軽くなった」
と語っています。
それは、祈る気持ちがモノに縛られず、
自由に故人とつながることができるからでしょう。
最後に──あなたの想いを、未来に託すために
海洋散骨の生前予約は、
人生の終わりを自分らしく整える選択です。
決して「先に準備するのは縁起が悪い」ものではなく、
残された人への思いやりでもあります。
・お墓を継がせたくない
・負担をかけたくない
・自然に還りたい
そんな気持ちが芽生えたとき、
ぜひ一度「生前予約」という形で整理してみてください。
それは「死の準備」ではなく、
「これからを安心して生きるための準備」だからです。
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