
遠く離れた実家のお墓、どうすればいいの?
別府市にお住まいの70代女性から、ある日こんな相談を受けました。
「夫が亡くなり、今は大きな家に一人暮らしです。娘が福岡に一人いるので、すべてを引き払って一緒に暮らすつもりです。でも…鹿児島に実家のお墓が残っていて、そのままにはできません。」
お墓は、女性のご両親が昭和の時代に田舎に建てたもので、両親の2柱が眠っています。大分に嫁いで以来、お墓参りは年々難しくなり、もう何年も訪れていません。高齢となった今、遠方への移動は負担が大きく、しかもお墓の場所も記憶があいまい。「きっと荒れ果てていると思います。どうしたらいいのかわからない…」と不安を抱えていました。
墓じまいは「墓石の解体」と「遺骨の整理」に分かれる
お話を伺い、墓じまい代行をお引き受けすることになりました。墓じまいは大きく2つの工程に分かれます。
- 墓石の解体・撤去
これは現地の石材店と事前に打ち合わせし、作業日程や費用を確定します。今回も、鹿児島の石材店に連絡を取り、現地確認と見積もりを当日行う段取りを組みました。 - お墓の中の遺骨整理
納骨室から遺骨を取り出し、新しい供養先へ移す工程です。今回の女性は、両親の遺骨を海洋散骨で自然に還す方法を選択されました。海洋散骨の場合、お墓の所在地の行政へ「改葬許可申請書」を提出する必要はありません。
現地確認は本人同行が鍵
お墓の場所は、現地をよく知る本人でなければ特定できません。そこで女性に同行いただき、私の車で鹿児島まで日帰りで向かうことになりました。
道中は、幼少期の思い出や両親の話、昔のお墓参りの様子などを聞かせていただきながらの小旅行。目的地の墓地に着くと、雑草が生い茂り、墓石は風雨にさらされて色あせていましたが、確かにそこにはご両親が眠っていました。あらかじめ連絡をしていた現地の石材店さんも立ち合い、墓石解体撤去のお見積りをして頂きました。
遺骨を取り出し、大分へ持ち帰る
現地確認後、その日のうちに遺骨を取り出す作業に入りました。納骨室を開け、慎重に2柱の遺骨を骨壺から出し、海洋散骨に備えて持ち帰ります。
墓じまい代行のメリット
今回のケースからも分かるように、墓じまいは「どこから手を付けたらいいかわからない」という方がほとんどです。代行サービスを利用することで、次のようなメリットがあります。
- 遠方でも対応可能
現地石材店や寺院との調整も含め、すべてお任せください。 - 本人同行による安心感
実際の現地確認や作業の立ち会いもサポート。 - 供養方法の提案
永代供養、納骨堂、樹木葬、海洋散骨など、希望に合った供養を選べます。 - 手続き負担の軽減
寺院との交渉、撤去後の更地返還なども代行可能。
遠方の墓じまいでよくあるお悩み
- お墓の場所がうろ覚え
- 親族に相談しにくい
- 管理費を払い続けるのが負担
- 地震や老朽化で倒壊が心配
- 跡継ぎがいない
こうした悩みは、早めに相談することで解決できます。今回の女性も「もっと早く頼めば良かった」と安堵の表情を見せていました。
墓じまいは“後ろ向き”ではなく“前向き”な選択
墓じまいは、単にお墓をなくすことではありません。
「将来の負担を減らす」「管理できない不安を解消する」ための前向きな選択です。特に高齢になってからの遠方のお墓管理は体力的にも厳しく、放置すれば無縁墓や倒壊の危険もあります。
代行サービスを利用すれば、現地確認から撤去、遺骨整理、供養までを一括で行えるため、安心して次の生活の準備に集中できます。
まとめ
今回の別府市の70代女性のように、遠方の実家のお墓をどうするかは多くの方が抱える悩みです。墓じまい代行サービスは、そんな不安や負担を軽くし、大切なご先祖様を丁寧に見送るお手伝いをします。
もし今、「お墓の管理が難しい」「子どもに負担をかけたくない」と感じているなら、まずは相談することから始めましょう。きっと将来の安心につながる第一歩になるはずです。