親が亡くなったあと、避けて通れないのが“お墓”と“仏壇”の問題です。
かつてはどちらも「家を継ぐ者が守るもの」とされていました。 しかし今は、子どもが遠方に住んでいたり、跡継ぎがいなかったり、娘だけだったり、宗教への関心が薄かったりと、かつてのような「守り続けること」が現実的でない家庭が増えています。
■ 墓じまいをしても、供養は終わらない
お墓をしまう——それは単に「片づける」という行為ではなく、供養の“かたち”を変えるという選択です。墓じまいの背景には、維持管理の問題や後継者不在、経済的な負担もあります。
けれど、「お墓がなくなったら供養ができない」わけではありません。 自然葬や海洋散骨を選ぶ方も増えており、手を合わせる“場所”ではなく、“心の中に供養の場を持つ”ことが重視されつつあります。
■ 仏壇処分もまた、心の整理
お墓と同様、仏壇も「代々守るべきもの」と考えられてきました。 けれど、核家族化が進んだ今、仏間のない家や、コンパクトな暮らしを望む家族にとっては、仏壇の存在自体が“重荷”になることもあります。
仏壇処分とは、ご先祖様を忘れることではありません。 家族の歴史を一度受け止め、「今の暮らしに合った祈りのかたちに変える」こと。
それは、決して後ろ向きな行為ではなく、“感謝と節目”をもって次の世代にバトンを渡すための行動なのです。
■ 両方同時に向き合うことで得られる「気づき」
墓じまいと仏壇処分を同時に考える方も多くいます。
- 実家を手放すタイミング
- 両親の三回忌・七回忌などの節目
- 子どもに負担を残したくないという思い
この2つを一緒に進めることで、「家を受け継ぐ責任」から「想いを引き継ぐ意志」へと気持ちが変わっていくのを感じた、という声もあります。
形式から自由になることで、かえって“心の供養”が深まる。 そう実感される方も少なくありません。
■ まとめ
お墓も仏壇も、親が大切にしてきたものです。 だからこそ、無関心では終われません。
けれど、私たちは「守り続けること」だけが供養だとは、もう思わなくていいのです。
大切なのは、親が遺してくれた想いに感謝し、今の暮らしと心に合った方法で、それを丁寧に見送ること。
それが、“墓じまい”と“仏壇処分”に向き合う、いまの私たちにできる供養のかたちなのかもしれません。
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