墓じまいをきっかけに、供養を見直す人が増えている
「お墓をどうするか」で悩む人が、いま急増しています。 背景には、少子化・核家族化・都市部への人口集中といった社会の変化があり、 「これまでのように、子や孫が代々お墓を守っていく」という前提が崩れつつあるのです。
そこで注目されているのが、永代供養と海洋散骨という、お墓を持たない供養の選択肢。 今回は、実際の事例を交えながら、両者の違いやメリット、どんな人に向いているかをわかりやすく解説します。
【事例1】永代供養を選んだ60代女性のケース
大分市在住の60代女性・Yさんは、ご主人を亡くしたあと、ご自身のお墓のことで悩んでいました。
「息子は東京に住んでいて、戻ってくる予定もない。私が亡くなった後、誰が墓を見るのかが心配でした」
葬儀社の紹介で寺院の永代供養墓を知り、見学に行ったところ、静かで管理の行き届いた環境に安心。 さらに、お寺によって法要も行われ、年に一度の合同供養祭にも参加できることを知り、決断しました。
「手元に位牌もあるし、いつでも祈れる。墓石を建てるよりも気持ちが軽くなりました」
Yさんにとってはお寺に任せることが決め手だったそうです。
【事例2】海洋散骨を選んだ70代夫婦のケース
別府市に住むご夫婦は、以前から「自分たちは自然に還りたい」と話し合っていました。
お墓は先祖代々のものが佐伯市にあるものの、長男も県外に住み、お墓を継ぐ予定はない。 そこで墓じまいを決断し、相談の中で知ったのが「海洋散骨」でした。
「初めて聞いたときは驚いたけど、説明を聞いて、ものすごく納得したんです。 自然に還るって、昔の土葬に近い感覚なんですね」
海に向かって手を合わせ、花を手向け、故人を静かに送り出す。 その様子は「しんみりというより、爽やかで、やさしかった」とご夫婦は語ります。
「これで子どもたちにも何の負担もかからないし、自分たちも心から納得できた」
お墓の維持という現実的な負担と、精神的な納得感の両方を満たした選択でした。
永代供養と海洋散骨の違いをおさらい
比較項目 | 永代供養 | 海洋散骨 |
---|---|---|
宗教色 | 仏教色が強く、法要あり | 宗教を問わず、自由なスタイル |
遺骨の扱い | 納骨(一定期間個別→合祀) | 粉骨後、自然に還す(残らない) |
管理 | お寺が管理・供養を継続 | 管理不要 |
供養の場 | お寺の合同墓や納骨堂 | 海、もしくは仏壇 |
手続き | 改葬許可申請が必要 | 不要(改葬扱いにならない) |
費用相場 | 50万円前後から | 6.6万円から |
どちらが「正解」ではなく、自分たちに合う方法を選ぶ
どちらを選ぶかは、価値観や家族構成、予算、宗教観などによって異なります。 大切なのは、“供養の本質”を見失わないこと。
お墓があってもなくても、手を合わせる気持ちがあれば、それは立派な供養です。 「自分がどうありたいか」「子どもたちに何を残したいか」を軸に、納得できる方法を選ぶことが大切です。
まとめ:未来に“負担”ではなく、“安心”を残す供養を
供養とは、亡き人への想いをカタチにすること。 そのカタチは、時代とともに変化して当たり前です。
永代供養も海洋散骨も、「未来の家族に負担をかけたくない」「自分の意思で準備したい」という、今を生きる人の未来の子孫へのやさしい決断から生まれた供養の方法です。
どちらを選んでも間違いではありません。 大切なのは、自分や家族にとって無理がなく、心が穏やかになる供養であること。
ぜひ一度、ご家族と一緒に“これからの供養”について考えてみてください。
私たち、一般社団法人まるっと終活大分支援は大分で活動する有志の団体です。私たちの執り行う海洋散骨は年に2回の永代供養祭と散骨者の過去帳で永代供養をしています。海洋散骨や墓じまいのことは、お気軽にご相談ください。
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