まるっと終活大分支援協会には、相続に関するさまざまなご相談をいただきます。その中でも、遺言書の内容な文面について悩まれている方も多くいらっしゃいます。遺言書を作成する際に重要なのは、法律的な効力を持つ内容だけではありません。遺言書に付け加える「付言事項」によって、相続人や家族への思いを伝えることができます。この記事では、遺言書の付言事項の役割や具体的な書き方について解説します。
伝えたい想いは、付言事項として残すことができる
付言事項とは、遺言書に記載される法的効力のない個人的なメッセージや思いのことを指します。例えば、以下のような内容を記すことができます。
・家族や友人への感謝の気持ち
・相続人同士への配慮や思い
・財産の分配理由
・人生の哲学や価値観
・自分が大切にしてきたものや事柄について
これらは相続手続きには直接影響を与えませんが、残された家族の心に深く響くメッセージになるでしょう。
トラブルを防ぐ効果も期待できる、付言事項の役割
付言事項は、単にメッセージを伝えるだけではなく、以下のような役割を果たすことも期待できます。
・家族間のトラブル回避:財産分配の理由を説明することで、誤解や対立を防ぐ。
・感謝の表明:普段は言葉にできない感謝の気持ちを形に残す。
・思い出の共有:故人が大切にしてきたものや価値観を家族に引き継ぐ。
・家族の絆を深める:遺言書を通じて、家族の結束を促す。
こんなことに注意しよう。付言事項を書く際のポイント
付言事項を書く際は、以下のポイントに注意してください。
・具体的に書く:抽象的な表現よりも、具体的なエピソードや感情を記しましょう。
・ポジティブな言葉を選ぶ:相続人へのメッセージは前向きな内容に。
・簡潔にまとめる:長文よりも、簡潔で心に響く言葉を心がけましょう。
・家族全員を思いやる:特定の人だけでなく、全体に配慮した内容になるようにしましょう。
付言事項のモデル文案をご紹介
以下は、付言事項の具体な文例です。参考にしてみてください。
「私の人生を支えてくれた家族に心から感謝しています。この遺産は、皆さんへの感謝の気持ちを形にしたものです。」
「財産の分配について、皆さんが納得し合えるよう願っています。私が決めた分配には、深い思いが込められています。」
「私が大切にしていた○○について、○○さんに託したいと思います。これからも大切にしてくれることを願っています。」
「これまで一緒に過ごした時間は私の宝物です。どうかこれからも支え合いながら幸せに過ごしてください。」
付言事項の内容についても、専門家に相談を
付言事項は法的効力がないため、内容が明確で感情的に理解されやすいことが重要です。そのため、次の点にも注意しましょう。
・公証人や専門家に相談する:遺言書全体のバランスを確認してもらうことも大切です。
・誤解を招かないよう配慮する:内容が曖昧だったり、偏った印象を与えないように配慮しましょう。
終活や相続、墓じまい、海洋散骨のご依頼は当協会まで
今回は、遺言書の付言事項の書き方について解説しました。
ただ、遺言書の作成に限らず、現実問題として終活に取り組んでいる方は、実は稀です。多くの方は、「まだ先で大丈夫」と考えているようです。ただ、「いつかやればいい」と先延ばしにすると、あなたの意思が実現できなかったり、思わぬトラブルに発展することもあるのです。人生100年時代、元気なうちにご自身の老後や死後のことについても考えておくことが大切です。そして、終活で重要なのが、お墓と供養の問題です。近ごろは、墓じまいに着手する方も増えています。また、自然や環境、遺族にも優しい海洋散骨を検討する方も増えています。
墓じまいや海洋散骨についての相談は当協会にお気軽にお問合せください。