まるっと終活大分支援協会には、終活や相続、供養にまつわる様々なご相談をいただきます。その中には、親の看取りを通じて、思わぬ事態に遭遇したというケースもあります。自身の死後について「なんとかなる」「誰かがやってくれる」と先延ばしにしている方も多いようです。けれどそれは、誰かに責任を委ねているだけかもしれません。やはりご自身のことは、ご自身できちんと意思表示しておくことが大切です。今回は、50代女性のエピソードをご紹介します。
夫婦仲がよかった両親。母のもとに旅立った父
80代の父を看取りました。2年前に母を亡くしてから、父も弱ってしまい、認知症の症状も出ていました。私は父と同居し、近くに住む妹と二人体制での介護を経て、自宅で看取りました。
私も妹も、父を自宅で看取れたことに達成感がありましたし、とても仲が良かった母のもとに逝ったのだと思うと、安心する気持ちもありました。
戸籍謄本を見ると認知の記載が…
そんな中、思いもよらない事態が起こったのです。相続手続きのため、父の戸籍謄本を確認すると、父に“認知した子”がいることが判明しました。
面識のない人ですが、彼女もまた、父の法定相続人だということ。母を深く愛していた父に、婚外子がいたということ、そのことを私たちに黙ったまま、父が逝ってしまったこと。
そんな事実に、私たち姉妹は深く傷つき、動揺しました。
けれど、そうも言っていられません。父の兄弟の協力もあり、先方と連絡を取ることができました。
彼女に父が亡くなったこと、ご自身も法定相続人であることを伝えました。
彼女にも、複雑な思いはあったようです。幼少期の父との思い出はわずかにあるけれど、成人してからはまったく交流がなかったことを話してくれました。彼女には父の財産を相続する意思はないということで、私たち姉妹が、父の唯一の財産である自宅を相続することも快諾してくれました。
年齢を重ねたからこそ、この事態も受け入れられる
私も若ければ、このような事態に、大きなショックを受けたかもしれません。けれど、何も語らなかった父の深い苦悩を思うと、人生の深みさえ感じるのです。また、これまで面識もなかった異母妹の存在を知り、その思いに触れたことも、わたし自身の人生に深みを与えてくれたような気がします。
彼女が、父の最期の様子を尋ねる口調からは、複雑な思いとともに深い愛情が感じられました。
人生って、わからないものです。さて、父の問題も、なんとか整理できそうなので、今度はわたし自身の終活について取り組んでこうと考えています。
終活や相続、墓じまい、海洋散骨のご依頼は当協会まで
今回ご紹介したのは、お父様の看取りをきっかけに、思わぬ事実が判明した50代女性ののエピソードです。相続や終活について、「まだ大丈夫」「誰かがやってくれる」と先延ばしにすると、あなたの意思が実現できなかったり、思わぬトラブルに発展することもあるのです。人生100年時代、元気なうちにご自身の老後や死後のこと、そしてお墓の今後についても考えておくことが大切です。終活の相談は当協会にお気軽にお問合せください。