両親が元気なうちに墓じまい。その決意を先祖が後押し
今回は、「高齢の両親が元気なうちに墓じまいを…」と決意した山本さんのストーリーをご紹介します。ご自身は独身ということもあり、お墓の継承は難しいため、ご遺骨は海洋散骨で供養することにしました。
いつか、誰かがやれなければいけない墓じまい。「それなら自分が」と決意
山本さんご自身は、永代供養と海洋散骨で迷われたそうですが、石原慎太郎さん(元東京都知事)が海洋散骨を選択したという話が印象に残っており、海洋散骨を選びました。
実は、墓じまいに関しては「先祖に申し訳ない」という気持ちもあったという山本さん。ただ、「どこかのタイミングで、誰かが着手しなくてはいけない」という思いもあったそうです。お父様にも、墓じまいの意向はあったようですが、どうしても踏み切れなかったのだとか。「じゃあ、自分が」と心を決め、墓じまいに踏み切ったそうです。
炎天下で、4時間以上かかった墓石の撤去
墓じまい当日は、お付き合いのあるお寺さんに閉眼供養してもらい、墓石の撤去を行いました。
墓石の下はコンクリートと鉄のはりがねが張り巡らされていて、「はつり」工事というコンクリートを剥がす作業を行いました。
これがなかなか大変な工事で、照り付ける太陽の下で、4時間かけて作業を行いました。また、お墓に続く道幅が1メートルに満たない場所だったため、近くまでクレーン車をつけることができず、約100メートル先の空き地にクレーン車をとめて、粉砕した墓石を小型ユンボにのせて往復することになりました。
このような作業を終え、墓石の下からご遺骨を取り出し海洋散骨をしました。
山本さんには、「自分の代で墓じまいをする」ということに、複雑な思いがあるようで何度も「仕方ない、誰かがやらなければいけないことだから…」とつぶやいていたのが印象的でした。
手を合わせて語りかけると、先祖が背中を押してくれた気がした
山本さんに、墓じまいを終えたお気持ちを伺いました。
Q.墓じまいをすることに、心配や抵抗はありましたか
A.もちろん、ご先祖様に申し訳ないという気持ちはありました。ただ、いずれ誰かがやらなくてはいけないこと。ご先祖様の写真に手を合わせ「墓じまいさせていただきます」と語りかけると「お前の好きなようにすればいいよ」と言われた気がして。心が決まりました。
Q.当協会を選んだ理由を教えてください
A.「自分の代で墓じまいをする」と言っていた父が、89歳になりました。そうなると「墓じまいは、自分が死んだ後にしてほしい」と言い出したのです。もう先延ばしにはできないと思い、「自分が、今、墓じまいをする」と決め、まるっと終活大分支援協会に相談したところ、代表理事の木原さんに墓じまいの手順や、海洋散骨について丁寧にアドバイスをいただけたからです。
Q.墓じまいを終えた感想を教えてください
A.「先祖に申し訳ない」という、もやもやした気持ち、やるせない気持ちは、正直まだあります。ただ、自分の責任を全うしたという達成感もありますね。
Q.今後墓じまいを考えている方にアドバイスをお願いします
A.墓じまいをするなら、自分で決めて、自分で動くしかありません。墓じまいをして、何か悪いことが起きたらどうしよう…と不安になる気持ちもあるでしょうが、ご自身が納得して決めたことなら、ご先祖様も応援してくれるのではないでしょうか。私の友人でも、子や孫たちが遠方に住んでいるからと、墓じまいを決意した人もいますよ。後世に負担を残さないためにも、検討してみてはいかがでしょうか。
さまざまな思いが、海へ、自然へ還っていく
ご遺骨の供養は、代行海洋散骨で承りました。当日は、山本さんご本人とご両親が佐伯市から約1時間かけて、船の見送りにいらっしゃいました。出航時にお花を託され、船が出るまで手を合わせてお見送りされている姿が印象的でした。
当協会では、墓じまいや自然葬についての手続きを、まるっとお任せいただけます。
お墓や供養に関するお悩みがあれば、ぜひお問い合わせください。