注目されている海洋散骨 - 大分で海洋散骨 一般社団法人まるっと終活大分支援協会

注目されている海洋散骨

2023年5月6日の毎日新聞に「海洋散骨」についての記事が掲載されていました。女手一つで姉妹を育ててきたお母さんが、海洋散骨を希望しているけど、娘たちは「拝む場所がなくなるため寂しい」気持ちはあるが、お母さんが望む何かを本気で考えるキッカケになったといいます。

少子高齢化社会、この先、人口が減少していくのは数字で見える未来です。↓

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(出生中位(死亡中位)推計)によると、総人口は2030年には1億1,662万人、2060年には8,674万人(2010年人口の32.3%)にまで減少すると見込まれており、生産年齢人口は2030年には6,773万人、2060年には4,418万人(同45.9%)にまで減少する。

つまり、この記事から推察するに、昭和の時代のように「お墓」を建て、建てたお墓の近くに一族が住みお墓参りを定期的に行い、お墓を次の世代へ継承することは現実的に難しい人が増えているということです。

しかし、記事中に登場する女性の立場も分かります。手を合わせる(拝む)場所がなくなるのは、残された家族にとって少し寂しいでしょう。けれど、定期的にお墓参りに行ける距離に本人が住むとは限りません。昔のように農業が基幹産業で生まれた土地でそのまま暮らし、先祖の土地を耕し子供たちへ引き継ぐ「第一次産業」に属しているなら話は別ですが、現代のほとんどの日本人は、2次産業、3次産業に属し、生まれた土地では一生を過ごすことはなくなりました。

一方、拝む対象ですが、よくよく考えてみると、遺骨を拝む文化は「火葬+骨壺→お墓」となった戦後(昭和の時代)からではないでしょうか?それまでの日本人の多くは「土葬」でした。人は亡くなったら土の中へ埋葬されその上に墓標を建てていた「個人墓」が主流だったのではないでしょうか?遺骨を拝んだり、一族の遺骨を骨壺に入れて同じお墓に埋葬するのは火葬文化の後かも知れません。

そして、先祖供養は「形代(かたしろ)」と呼ばれる「位牌」を拝み、「仏壇」が各家庭にはありました。現代では、仏壇も昔のように大きなものは少なくなったと聞きます。コンパクトでマンションの一室でも置けるようなデザイン性が人気だそうです。

現代での形代(位牌)に代わるものは何でしょうか?もしかしたら、故人の笑っている「写真」かも知れません。

海洋散骨は昔ながらの自然葬の1つです。自然葬は昔に戻るだけかも知れません。

お墓を持たずに形代で供養する。このような選択もあります。

新聞の記事では、このように締められています。

「寂しい」とか「むなしい」とかいうのは自分の感想に過ぎず、それよりも母が何を望むかを見つめたいと思った。母の存在は自分自身の存在の証明であるから、自分が生きている限りは母はずっと私の中で生きていると思うと、心強い気がしてきた。

毎日新聞の海洋散骨の記事
毎日新聞の海洋散骨の記事
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