
「父が生前、『仮想通貨を持っている』と言っていたんです。でも、スマートフォンもパソコンも開けなくて…。どうしたらいいでしょうか?」
これは実際に、まるっと終活大分支援協会へ寄せられたご相談です。
ご相談者は50代の息子さんでした。
お父様が亡くなられ、相続の手続きを進めていたところ、ふと「そういえば父は暗号資産をやっていた」と思い出したそうです。
しかし、お父様のスマートフォンには顔認証と暗証番号が設定されており、誰も開くことができません。
パソコンにもログインできず、どこの取引所を利用していたのかも分かりません。
銀行の通帳や証券会社の書類は見つかったものの、仮想通貨に関する資料は一切ありませんでした。
「もし本当に仮想通貨を持っていたら、その資産はどうなるのでしょうか。」
そんな不安から、ご相談に来られました。
デジタル遺品とは?
近年、終活の世界でよく耳にするようになった言葉が「デジタル遺品」です。
デジタル遺品とは、亡くなった方がスマートフォンやパソコン、インターネット上に残した情報や資産のことをいいます。
例えば、
- スマートフォン
- パソコン
- 写真や動画
- LINEやメール
- FacebookやInstagramなどのSNS
- ネット銀行
- ネット証券
- 仮想通貨(暗号資産)
- 電子マネー
- クラウドサービス
- サブスクリプション契約
などが該当します。

昔は「遺品」といえば、タンスや家具、アルバム、通帳など目に見えるものが中心でした。
しかし今では、多くの情報や財産がインターネット上に存在しています。
目に見えないからこそ、家族も気付きにくく、見つけられないケースが増えているのです。
仮想通貨は「分からない」が一番怖い
今回のデジタル遺品のご相談で最も気になったのは仮想通貨でした。
仮想通貨は銀行預金とは仕組みが異なります。
銀行であれば、相続人が必要な手続きを行うことで残高を確認できる場合があります。
一方、仮想通貨は利用していた取引所やウォレット、ログインID、パスワードなどが分からなければ、資産の存在そのものを確認できないことがあります。
もし数百万円、あるいは数千万円の資産があったとしても、アクセスできなければ事実上利用できなくなる可能性があります。
「父が仮想通貨を持っていたらしい。」
その一言だけでは、何も手続きを進めることができません。
困るのは財産だけではありません
デジタル遺品で問題になるのは、お金だけではありません。
例えば、
毎月引き落とされている動画配信サービスや音楽配信サービス。
使われなくなったまま料金だけが支払われ続けるケースがあります。負の遺産です。
また、クラウドに保存された家族写真。
ログインできなければ、大切な思い出を取り出すことができません。
さらに、SNSのアカウントが残ったままになり、誕生日のお知らせが届いたり、友人からメッセージが送られてきたりすることもあります。
家族にとって精神的な負担になることも少なくありません。
パスワード解除は専門業者が必要に
「スマホのロックを解除してください。」
実は、この依頼は簡単ではありません。
機種やセキュリティの状況によっては解除できないこともあります。
また、個人情報保護の観点から、正当な相続人であることを証明する書類が必要になるケースもあります。
最近では、デジタル遺品専門の事業者が、
- スマートフォンの解析
- パソコンのデータ確認
- ネット銀行や証券会社の利用状況調査
- SNSの整理
- 不要なアカウントの削除支援
などを行っています。
ただし、内容によって費用は異なるため、事前に見積もりを取ることが大切です。
一番の対策は「元気なうちの準備」
デジタル遺品の問題は、亡くなってから解決しようとしても難しいことが少なくありません。
だからこそ、元気なうちから準備をしておくことが重要です。
例えば、
- 利用しているネットサービスを書き出しておく
- 家族が存在を把握できるようにしておく
- エンディングノートに記録する(パスワードを修正テープで隠しておく)
- パスワードの保管方法を家族に伝えておく
といった準備だけでも、家族の負担は大きく軽減されます。
もちろん、防犯上の理由から、パスワードそのものを誰でも見られる場所に書くことは避け、安全な管理方法を選ぶことが大切です。(修正テープで隠すなど)
終活は「デジタル」まで考える時代
終活というと、
「お墓」「仏壇」「相続」「遺言」
を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、これからはデジタル遺品も終活の大切なテーマです。
目に見えない財産だからこそ、家族が困らないように準備をしておくことが、最後の思いやりになるのではないでしょうか。
まるっと終活では終活全般のご相談を承っています
まるっと終活大分支援協会では、墓じまいや海洋散骨、仏壇処分だけでなく、「終活で何から始めればよいか分からない」というご相談も数多くいただいています。
今回のようなデジタル遺品についても、必要に応じて専門事業者と連携しながら、お客様に合った解決方法をご提案しています。
終活とは、亡くなった後の準備ではなく、残される家族への思いやりです。
モノだけでなく、スマートフォンやパソコンの中にある「見えない財産」についても、一度見直してみてはいかがでしょうか。

デジタル遺品のご相談も承ります。
0120-468-374


