
相続手続きの際に、意外な事実が発覚するケースがあります。
今回ご紹介するのは、大分県で暮らすあるご家族のお話です。
50代男性から当協会に、「父の死後に、認知した子がいることが分かった」というご相談がありました。
このエピソードをもとに、相続や終活のポイントをお伝えしていきます。
父の死後、家族にとって意外な事実が判明
大分県で暮らすあるご家族のお話です。
お父さまが亡くなり、葬儀や法要を終えたあと、残された家族は相続手続きを始めました。お母さまと二人の子どもが「できるだけ穏やかに進めたい」と考えていたところ、戸籍を取り寄せた段階で驚くべき事実が判明したのです。生前にお父さまが認知した子どもがいた――家族にとってはまったく知らされていなかったことでした。
最初に戸籍を見たとき、家族は言葉を失いました。
「どうして父は話してくれなかったのか」
「これから相続はどうなるのか」
動揺と不安が広がり、親族の間で感情的なやり取りも生じました。
さらに、認知された子どもにも法定相続分が認められるため、遺産分割協議に必ず参加してもらわなければなりません。遺族だけで解決しようとしたものの、法律上の権利が絡むため話し合いは難航し、次第に膠着状態に陥りました。
解決への道のりは専門家に相談
そこで家族は、大分市内の行政書士に相談しました。専門家からは次のような説明を受けました。
- 認知された子も、法律上は他の相続人と同じ権利を持つこと
- 感情的な思いは大切だが、相続分は法律で明確に定められていること
- 公平な分割方法を検討することで、将来的な争いを防げること
第三者から冷静に整理してもらったことで、家族の視点が変わり、協議の場も落ち着きを取り戻しました。
最終的には、不動産は妻と長男が引き継ぎ、預貯金などの金融資産を認知された子を含めて均等に分ける形で合意。お互いが納得できる解決策を見つけることができました。行政書士が書面を整えたため、手続きもスムーズに進み、大きなトラブルには発展しませんでした。
今回のケースから考える、相続のポイント
今回のケースから得られる教訓として、次の3点が挙げられます。
戸籍の確認は必須
相続人を確定させるためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて取り寄せる必要があります。ここで認知や養子縁組など、家族が知らなかった事実が明らかになることも珍しくありません。
感情と権利を分けて考える
突然の事実に戸惑うのは当然ですが、相続権は法律で認められた権利です。感情的になりすぎると話し合いが進まないため、気持ちと手続きを切り離して考えることが重要です。
専門家に早めに相談する
相続は親族だけで解決しようとすると感情が優先されがちです。行政書士や弁護士などの専門家に依頼することで、公平で現実的な解決策を導きやすくなります。特に大分県のように親族同士のつながりが濃い地域では、第三者の存在が円滑な調整役になります。
終活や相続、墓じまい、海洋散骨のご依頼は当協会まで
父の死後に認知された子の存在が判明することは、決して珍しいケースではありません。突然の事実に驚き、心が揺れることは当然ですが、法律の仕組みを理解し、専門家の力を借りれば解決の道は必ず見つかります。
「知らなかったから混乱した」という声は多いですが、最終的に「専門家に相談して良かった」と安心できた事例があることを、今回の記事でお伝えしました。
大切なのは、冷静さと準備、そして信頼できる相談先を持つことです。
終活についてお悩みがあれば、当協会にお気軽にお問合せください。ご本人やご家族の気持ちに寄り添った終活の形をご提案します。