死亡者数が出生数の2倍超へ。これから注目される自然葬=海洋散骨?大分県人口と… - 大分で海洋散骨 一般社団法人まるっと終活大分支援協会

死亡者数が出生数の2倍超へ。これから注目される自然葬=海洋散骨?大分県人口と…

「最近、葬儀社や墓地のテレビCMが増えたな…」と感じませんか。

一昔前は、葬儀社や石材店のCMはおろか、仏事に関する宣伝などは不謹慎なものだと感じる人が多かった気がします。

身内に不幸があれば、誰かが知っているどこかのお坊さんに連絡をして、内内に準備が進み、気が付けば滞りなさ気に終わっている…。そんな法要を、筆者も何度か経験しました。

また、「人は葬儀ごとに金を惜しまない」とも言われていました。故人を見送る時に費用を惜しむものではないという考え方も最近では、仏具や墓石、葬儀社など、お得感のある明るいイメージに変わってきたようです。

時代と共に人の考え方は変わる。それは、葬式や法要に対しても同じでしょう。

地方では地元の慣習や言い伝え、継承を重んじると考えられがちですが、生き方や個の想いを尊重し、エンディングをどのように迎え、その後自分をどう弔ってほしいか。大分県の人口と統計から紐解いてみます。

大分県の指標と取り組み

大分県では、平成11年を境に出生数を死者の数が上回りました。全国的な減少傾向と同じく、大分県下市町村のほとんどで、例年居住者人口が減少しています。

20年後の人口ピラミッドボリュームゾーンが90~100歳と言われている日本ですが、都会にむけて人口が流出する傾向の強い大分県は、今後さらに若者人口が減っていくことは間違いありません。

大分県「安心・活力・発展プラン2015」策定するも

そこで、大分県はさほど遠くない未来に訪れる人口減少対策に向けて、安心・活力・発展プラン2015を平成27年に策定し、出産や子育てをしやすい環境づくりをすすめる「子育て満足度日本一」「健康寿命日本一」を目指しています。

大分県では、ここ数年の間で子育て世代の移住、農村活性の話題になることが増えてきて、移住したい・住みやすい町ランキングでも、大分県の市町村が上位ランクインすることが多くなりました。

しかし、人口推移データ最新版平成30年年度には9000人近く前年減。その中で65歳以上の人口割合が32パーセントで1.1増減率…。およそ3人にひとりが、自分の最期を現実的に考え始める時代になったのです。

2022年6月、大分合同新聞によると、県下の死亡者数が出生数の2倍を超えたそうです。

大分県の人口減少と墓地急減

昭和45年から記録公開されている、大分県の衛生行政報例を見ると、墓地は昭和から平成にかけて25000を越える数がありましたが、平成9年の台風第19号ほか集中発生した歴史的災害のせいか(これはあくまでも調査数値による独自の見解です)同年に墓地数が4000台まで急減しています。

平成14年からは減少傾向はとまらず、平成22年には1000を割り込み平成25年に926墓地、そして平成27年には703まで数を減らしています。埋葬および火葬の総数は年を追うごとに増加しているのが現状です。

墓地は減少し、墓地に変わる埋葬方法が注目されています。

そこで、海洋散骨を選択する人が増えています。

日本では毎年約140万人が亡くなり、そのうち1%(1.4万人)から5%(7万人)が海洋散骨を選択しているそうですが、年々とその数は増えてくることでしょう。

大分県にある墓地と埋葬について

大分県で行われる埋葬と火葬について、先に記しておきましょう。

昭和45年(調査上最も古い)には、全体の2割近く(1822)が火葬ではなく土葬を行っていました。それが平成2年時点で埋葬数50に激減。その後減少をつづけ、平成25年時点で埋葬数0(火葬100%)となって以後、土葬数は計上されていません。つまり、平成まで土葬は行われていたようです。

大分県内農村部に変化が?墓地数の激減

大分市の墓地数はここ数年変化がありませんが、注目したいのは大分県の西部は平成25年から27年の2年間で、墓地数120→47、納骨堂数130→64。北部に至っては墓地数268→81と著しく変化している点です。

共通しているのは、山間や海岸など自然が多く高齢化が進む過疎地であること。この数字を参照している統計(衛生行政報告)は、墓地=施設数であり、区画数ではないので、実際にお墓が何基あるのかといった詳細は分かりません。

大分県の過疎地を例にとって上げましたが、おそらくこの傾向は大分県に限った事ではないでしょう。国内には深刻な限界集落と呼ばれるエリアもあります。施設数自体がこれほど大きく変動するということは、

1.墓地のあるお寺そのものがなくなった
2.区画整理・都市計画等によって墓地が減少したか
3.市町村管轄または個人墓地が整理されたか
4.樹木葬・海洋散骨などへ移行しかた

いずれにしても、お墓・納骨堂に対する扱いや考え方が顕著に変わってきつつあることがうかがえます。

過疎地こそ生前に「決めておく」が大事

地方の高齢化・過疎化が止まらないようなエリアこそ、先祖代々の墓やお寺が多い印象がありますが、あと数十年もすれば、手のはいらない荒れた墓地に、誰の繋がりかも分からないほど朽ちたお墓…そこに”あるだけ”のものになってしまう可能性が高いでしょう。

受け継ぐ墓があっても、遠く離れた場所で暮らす孫世代にとっては、せいぜい年に一度のお盆かお彼岸でお参りにくる程度ではないでしょうか。

寂しいように感じますが、これが墓参りのあるべき姿か?と考えると今の家族のあり方とはそぐわなくなってきているのかもしれません。自分の代が、先祖をよりよく供養するにはどうしたらいいのか…。

慣習とは違う、一見すると不条理に感じるものもあるでしょうが、これからの時代に沿った供養の方法を、今を生きる人が生前中に考えて決断していくことがきっと大事になってきます。

海洋散骨が注目される理由

少子高齢化、人口減少により、昭和の時代から一般的になった家墓を継げない人が増えてきました。そこで見直されているのが、昔は一般的であった自然葬。自然葬であれば、お墓を後継する人がいなくても昔ながらの自然に還る埋葬で安心です。墓じまい、自分用の埋葬として注目されています。

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