親族の葬儀があった折、
「○○寺にお願いすれば大丈夫だから。ずっとそこでお願いしているから」
という話を先代から聞いたけれど、そのお寺に一度も行ったことがない…というのは良くある話。
仏壇が家にあり、祖父母がその前で何度もお経を読む姿は、一昔前までは当たり前のような光景でした。
ただ、最近では仏壇を置かない家が多くなりました。
戒名ってなに?
戒名とは、仏教の世界の中で、受戒した人に与えられるもの。
日本では、お坊さんが亡くなった人に対して授ける慣習があります。
仏の世界に入った際の「自分の名前」のようなものです。
家族がこれまでお世話になっていたお寺があれば、家族全員が檀家(だんか)に入っていて、故人の法要や葬儀をずっとその寺院にお願いしてきたことでしょう。
自分が知らないうちに、先代がお世話になっているお寺の檀家に入っていた…というのも、実は良くある話なのです。
石原慎太郎さんの遺言
都知事を務めた故石原慎太郎さんの遺言が話題になっています。
そこには、、、
「葬儀不要、戒名不要、我が骨は必ず海に散らせ」
とありました。葬儀も戒名も要らないというのです。
海洋散骨が注目されている理由
全国的に海洋散骨が注目されています。
その理由に、昔ながらの自然葬というメリットがあるからです。
人口減少中の日本。戦後最大の死亡者数を更新する近年。生まれてくる人より死亡する人が多くなった現代では、お墓の維持、後継が難しくなっています。そこで注目されているのが、昔ながらの自然葬。自然葬はお墓を継ぐ必要がないからです。
海洋散骨は、海がお墓になるので、世界中どこでも海が繋がっていればどこからでもお参りができるというのです。
私たちは、時代によってお墓や供養の在り方も変わってきたことを、改めて学ぶ必要があります。
家族葬や自然葬が増えてきて
核家族化が進み、「家に仏壇がない・葬式以来、近しい親族に会っていない・盆や彼岸も法要らしいことはしない」という話をよく耳にするようになりました。
仏教方式の葬式にこだわらず、自宅や集会場、葬祭場の一室を借りて、故人が好きだった唄や食事で故人の思い出話をするといったように、自由な形の葬式もあります。
また、趣味を集めて、オリジナルの葬儀を執り行うといったサービスを扱う専門業者もあります。
知人の訃報を「葬儀は家族葬で執り行いました」と記されたはがきで知る、といったことも多くなったと感じませんか。
戒名のあるなしは、「自分のお葬式をどうするか」と関わってきます。
戒名はもらっておいた方がいい、という慣例の安心感もあるでしょうが、自分の生き方や理想はもちろんのこと、戒名をもらわない場合のメリット、デメリットをしっかり考えておきましょう。
自然葬の場合、戒名を選ばない人も多くなりました。
よりそうのお葬式コラム
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