幼かった頃から社会人になってしばらく経つまで、参列するお葬式がどこか他人事のように感じていました。
ただ、自分も40代の親世代になり、近しい知人や身内が亡くなっていく折にふれ、「私の家族が同じ立場になったらどうなるんだろう」と、おぼろげながら不安になることがあります。
でも、不安になるのはきっとまだ、現実と向き合っていないからなんですよね。
そろそろ、”自分の遺骨”をどうやって終うのか、考えないといけないのかもしれません。
家墓をいつまで誰が守るのか
私と妻の家には、それぞれ家墓があります。
一番古い記憶をたどると、私には、祖父が亡くなった時のお葬式と回忌法要くらいしか覚えがありません。
その後しばらくして祖母もなくなりましたが、葬儀や回忌法要の手配は全て、私の両親が行ってきました。
妻の家では、親族の出産(宮参り)からお寺で入信するのがどうやら常だったようです。
「法要は○○のお寺の住職にお願いしていた」と言っています。
お互いに違うお寺の檀家である場合、その後の弔いや法要はどのようにすれば良いのか。
私と妻が違うお寺の檀家であれば、それぞれの家墓に入るしかないのか。
そうなると、両家2つある墓守はどうやって子どもに委ねれば良いのか…。
正直にいえば、漠然と考えていた「自分の弔われ方」が結構難解に思えてきました。
自分の想いだけでは決められない墓の行方
私は長男ですし、幼い頃から「実家と墓はお前が継いでくれ」と、はっきり言われないまでも、そのような願いを親から感じていました。
しかし、私も大人になり、苗字を継ぐとか、墓を守るとか、(私は自分で家を所有していますが)実家を守るとか。
これまでは深く考えずに、妻と話し合って家族のことを決めてきたように思います。
でも、お墓や遺骨の管理って、自分たち世代のことだけではないんですよね。
私はお墓に入りたいと思っても、子どもたちは「墓守が面倒だ」と思うかもしれません。妻の家墓と2つあれば、檀家に入る入らないの問題も生じます。
逆に、先祖を敬いながら「2つのお墓を守って行こう」と考えてくれるかもしれません。その場合、必要な手続きや引継ぎも出てくるでしょう。
理想的な弔いを家族の願いも聞きながら
いつか、子どもが成人して、子どもにとってお墓がどんな意味を持つのか。子どもが所帯を持ってさらに孫世代にどうさせたいのか。
まずは両家の両親ときちんと話をして、妻の理想も聞きながら、最善の方法を探していかなければ行けないなと思っています。
親が亡くなることを、子どもの立場としては現実的に想像したくないと思ってしまいます。がしかし、いつか来る現生の別れが原因で、妻とも親とも、子どもとも、その後トラブルになるような問題も残したくありません。
自分ごととして、家族の行く末を先の世代まで考えて行動することが大事なんですよね。
私は、お寺へ出向いた記憶がありません。
「名ばかりの檀家」だと思ってきましたし、いずれ私が死んだら縁を感じないお寺に供養をお願いするのも形式ばっているような気がしています。
しかし、檀家でなくなれば先祖を弔うことが出来なくなると聞いています。さすれば、墓じまいや永代供養をお願いすることになるわけです。
同じことが妻の家系にも言えます。
本音を言えば、私個人としては、子どもに負荷や負担をかけるのが忍びないので、お墓を持たない選択を望んでいます。
私の望みを叶えることで、その後の世代にどんな問題が起こることになるのか。想像して、きちんと現実と向き合って、いろんな細かいことをしっかりと決めておきたいと思います。
こうすることで、子どもたちも納得し、迷ったり不安になることなく私をあの世に送り出してくれることでしょう。
選んだのは夫婦2人で申込した海洋散骨
そんな時、海洋散骨の生前予約を知りました。生前予約をしておけば子供たちに金銭的な負担とお墓を残すことがないので私の望み通りに事が運びます。幸い、私たち夫婦には子供がいます。子供に私たちが亡くなったら海洋散骨をしてもらうことを伝えました。
これで私たち夫婦の問題は解決しました。お墓を残さない選択をしたので、あとは、家墓の墓じまいです。こちらも海洋散骨を考えています。