
近年、スマートフォンやパソコンの中にある「デジタル遺産」をめぐるトラブルが増えています。
ネット銀行の口座、証券口座、サブスク契約、写真データなど、現代では多くの財産が“デジタル上”に存在しています。
しかし、それらは形がないため、相続時に家族が気づかないまま放置されてしまうことも少なくありません。
【Case1】亡くなった父のネット銀行がわからない
大分市在住のNさん(60代女性)は、3年前にお父様を亡くされました。
お父様はネット証券を利用して株式投資をしていましたが、通帳も明細書も見つかりません。
「どこの銀行に口座があるのか」「どの証券会社を使っていたのか」まったく分からず、遺産の確認に苦労したといいます。
パソコンにはパスワードロックがかかっており、解除できずに情報が見られない。
一部のサブスクリプションサービスは自動引き落としが続き、月々の請求書で初めて気づく始末。
「デジタル遺産」が手つかずになり、相続の手続きが長引いてしまいました。
【Case2】亡くなった妻の写真データが見られない
別府市のAさん(70代男性)は、奥様が亡くなったあと、スマートフォンの中に大切な写真がたくさん残っていることに気づきました。
しかし、顔認証でしかロック解除ができず、家族も開けません。
「孫との写真をもう一度見たかった」とAさん。
デジタルの時代になって、思い出までスマホの中に閉じ込められてしまうケースが増えています。
解決策:デジタル遺産リストを作成しておく
こうしたトラブルを防ぐには、「デジタル遺産リスト」を作っておくのが一番です。
書式は自由ですが、次のような項目をまとめておくと安心です。
• ネット銀行・証券会社の名称
• SNSやメールのアカウント名
• サブスク(Amazon、Netflixなど)の契約先
• 写真・データの保存先(Googleフォト、iCloudなど)
• パスワードやIDの管理方法(直接は書かず、保管場所を記載)
このリストは紙にして金庫や封筒に入れ、「エンディングノート」や「遺言書」に存在を明記しておくのがおすすめです。
当協会では、専門家によるサポートも行っています
当協会では、「デジタル遺産整理」や「遺言書作成サポート」を行っています。
例えば、
• デジタル資産の洗い出しサポート
• 相続人がアクセスできる仕組みづくり
• 遺言書の中でのデジタル資産の扱い方のアドバイス
といった相談を受け付けています。
実際にNさんも、お父様の件をきっかけに当協会に相談。
「次は自分たちの世代が迷惑をかけないように」と、夫婦でデジタル遺産リストを作成しました。
リストの存在は長男に伝え、USBメモリにまとめて金庫で保管。
「これでようやく安心できた」と笑顔を見せていました。
終活や相続、墓じまい、海洋散骨のご依頼は当協会まで
デジタル遺産は、見えないからこそ厄介な財産です。
ネット銀行やスマホの中のデータが、家族を困らせる前に――
「デジタル遺産リストの作成」と「専門家への相談」で備えておくことが大切です。
当協会では、こうした終活や相続の準備を支援しています。
「デジタルの時代の相続対策」、今こそ始めてみませんか。
そのほか、終活についてお悩みがあれば、当協会にお気軽にお問合せください。ご本人やご家族の気持ちに寄り添った終活の形をご提案します。

