
大分市の現実——増える「おひとり様」の高齢者
私はこれまで「孤独死」という言葉をどこか遠い出来事のように考えていました。
しかし、それは突然、自分の身近に起こりました。
大分市は人口約47万人の都市ですが、国勢調査によるとそのうち約30%の世帯が一人暮らしの高齢者。そして老夫婦だけの世帯を含めると、実に6割以上が「おひとり様」「おふたり様」世帯です。高齢化率が高い大分市において、孤独死は決して珍しい話ではないのです。
私が長年親しくしてきた友人も、そんなおひとり様の高齢者でした。80歳で一人暮らし。明るい人柄で、約束をすれば必ず時間通りに現れる人でした。その友人が、ある日、待ち合わせ場所に来なかったのです。
第一発見者となった日の記憶
胸騒ぎがして、私は友人の自宅を訪ねました。玄関は開いたまま、呼び鈴を鳴らしても反応がありません。嫌な予感が強まり、裏庭からリビングを覗くと、ソファーに横たわる姿が目に映りました。声をかけても、窓を叩いても動かない。
恐る恐る玄関から中に入り、近づくと、すでに体は冷たく硬直していました。頭が真っ白になりながらも119番へ連絡し、オペレーターの指示に従って心臓マッサージを続けました。しかし、友人が再び目を開けることはありませんでした。
孤独死——それはニュースや本の中だけでなく、私の目の前で現実となったのです。
突然の孤独死に直面したら——To Doリスト
私自身の体験を通じて痛感したのは、「孤独死は誰にでも起こり得る」ということ。そして、その場に居合わせた家族や友人が、何をすべきかを知っておくことの大切さです。以下は、専門家の知見をもとに整理した孤独死発生時のTo Doリストです。
① 警察・救急への通報
発見時は迷わず119番や110番に連絡。救急隊員と警察官が到着し、死亡の確認や事件性の有無を調べます。
② 身元確認と死因の特定
必要に応じて監察医や行政解剖が行われることもあります。今回はご遺体を大分県中央警察署へ運び、CTで死因を検査したところ、心臓近くの血管破損とのことでした。
③ 遺体の引き取りと葬儀の手配
死亡診断書が発行されると、葬儀や火葬に進みます。
④ 部屋の清掃・消臭・原状回復
孤独死では遺体の発見が遅れることが多く、腐敗臭や汚染が残る場合があります。特殊清掃業者への依頼は不可欠です。
⑤ 行政手続き
死亡届は7日以内に市区町村へ提出。火葬許可証の取得、年金や健康保険の停止、公共料金の精算なども並行して行います。
⑥ 遺品整理と相続確認
通帳・保険証券・契約書などを確認し、借金や相続の有無もチェック。専門家(司法書士や行政書士)に相談すると安心です。
孤独死を防ぐために、そして残された人のために
私の友人の死をきっかけに、私は「終活」の重要性を改めて感じました。
大分市のように高齢化が進む地域では、今後さらに孤独死のリスクが高まります。
しかし、孤独死を「ただの不幸な出来事」で終わらせるのではなく、
- 見守りサービスの利用
- 定期的な安否確認
- 終活による葬送の準備(墓じまい・海洋散骨など)
 を進めることで、防げるリスクや、残された家族の負担を軽減できる部分もあるのです。
まとめ
孤独死は、誰にとっても他人事ではありません。
私が80歳の友人を発見した日のことは、今も忘れることができません。けれど、その経験を通して「いざという時に何をすべきか」を伝えることが、残された者の役割だと思っています。
孤独死に直面したときには冷静な対応が求められます。そして、あらかじめ備えておくことが何より大切です。
終活や相続、墓じまい、海洋散骨など、将来に向けて考えておくことは、決して縁起の悪いことではありません。それは「家族や友人に負担をかけないための優しさ」なのです。
👉 終活や孤独死後の対応についてご不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。大分での現実的な備えと、心に寄り添った供養の形をご提案いたします。

 
  
  
  
  
