今回ご依頼をくださったのは、豊後大野市にお住まいの40代の男性です。
依頼者は、海洋散骨は初めてではありません。
以前、当協会で亡くなったお父さまと弟さんの遺骨を代行海洋散骨でお預かりし、大分の海へお還しした経緯がありました。
そして今年、1月にお母さまが逝去。
四十九日を過ぎたタイミングで、再びご連絡をいただきました。
「母も、父と弟と同じ海に還してあげたいんです」
■ 家族の“帰る場所”は、ひとつの海
今回も代行での海洋散骨を希望されました。
「仕事が忙しく、船には乗れませんが、きっと母も一緒がいいと思うんです」
すでに父と弟の眠る場所——同じ海に母を還す。
それは単なる選択ではなく、家族を“再びひとつにする”願いのように感じられました。
■ 子どもにお墓を残さないという選択
依頼者には二人の子どもがいます。
しかし、いずれも県外在住。
「墓を建てても、きっと誰も引き継げない。だったら、負担にならないように最初から持たない方がいいと思いました」
このように、“供養のために墓を建てる”という発想ではなく、“家族の誰もが祈れる形”として自然葬を選ぶ人が増えています。
依頼者もまた、その現実と誠実に向き合った一人でした。
■ 代行だからこそ、丁寧に
今回は当協会にてお母さまの遺骨をお預かりし、粉骨を施したうえで、海洋散骨を執り行いました。料金は66,000円(税込)です。
当日は晴天。まるで家族の再会を祝うかのような、穏やかな波と光。
父、弟、母。
三人が同じ場所に還るという事実に、スタッフである私たちも胸が熱くなりました。
■ 「これでやっと、母も笑ってる気がします」
後日、散骨証明書をお送りした際に届いたLINEには、こう綴られていました。
「父と弟のところへ行けて、きっと母もほっとしていると思います。これでやっと、家族が揃ったような気がしています」
形式にとらわれない供養。
誰かが引き継がなくても、誰かが思い出してくれる——
それだけで、立派な供養になるのかもしれません。
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