親が高齢になり、家の片づけや引っ越しのタイミングで突きつけられるのが、「仏壇をどうするか」という問題です。
特に、80代・90代の親を持つ息子・娘世代にとって、これは避けて通れないテーマになりつつあります。
多くの家庭では、かつてのように菩提寺との強いつながりがあるわけではありません。 「うちはもう菩提寺がない」 「どこに相談していいのか分からない」
そんな声が本当に増えています。
■ 仏壇は“信仰”ではなく“習慣”だった世代へ
仏壇がある家は多くあります。けれど、それを日常的に“信仰の対象”としていたかと言われると、実際はそうでもない家庭が大半かもしれません。
- ご先祖の写真が置かれている
- 盆と正月にだけ線香をあげる
- 仏壇=家族の象徴だった
こうした“習慣としての仏壇”をどう処分すればよいのか、多くの人が迷っています。
■ 「閉眼供養は必要か?」という問いに揺れる
仏壇を処分するとなると、まず出てくるのが「閉眼供養(魂抜き)をしないといけないのでは?」という疑問。
確かに、菩提寺があり、日常的に仏事を大切にしている家であれば、住職に閉眼供養をお願いするのが自然な流れでしょう。
しかし現実には、
- 菩提寺との関係が切れている
- 閉眼供養を頼める僧侶の当てがない
- そもそも「閉眼供養」がわからない
という方がほとんどです。
「閉眼供養(魂抜き)していないと罰が当たる」 「そのまま処分するとご先祖に失礼」
そうした“漠然とした不安”が、仏壇処分を進められない理由になっています。
■ 安心して仏壇を手放すために
私たちが提案したいのは、「閉眼供養をしなくても、安心して仏壇を供養処分する」という考え方です。
大切なのは、謝の気持ちを込めて手放すということ。形式にとらわれなくても、仏壇の前で「ありがとう」と手を合わせれば、それが十分な供養になる——そんな考え方も、あります。
たとえば:
- 処分前に、家族で集まって線香をあげる
- 仏壇の前で「長い間ありがとう」と言葉にする
- ご先祖の写真や位牌だけを手元に残し、仏壇そのものは手放す
このようなシンプルな「気持ちの整理」が、多くの方にとって自然な選択になっています。
■ 仏壇処分=“終わり”ではなく“更新”
仏壇を処分することは、「供養をやめること」ではありません。
むしろ、“仏壇という形式”を一度手放すことで、
- もっと自由に心で手を合わせる
- 家のスペースが整うことで心にも余白ができる
- 子どもや孫に「管理の負担」を残さない
といった、新しいかたちの供養や家族の在り方につながっていきます。
「うちはうちのやり方でいい」 そう思えることが、何より大切です。
■ 仏壇処分に正しいやり方はないのかもしれません
大切なのは、「自分たちの納得」と「感謝の気持ち」。
閉眼供養をしない選択もあります。
ご先祖を大切に思う気持ちがあれば、形式にこだわらなくても、心からの“ありがとう”はちゃんと届きます。
仏壇を処分するということは、
過去と向き合い、これからの暮らしを整えるということ。
それは決して後ろ向きな行為ではなく、
「今を、よりよく生きる」ための大切な一歩となるでしょう。
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