
大分県中津市にお住まいのご兄弟からご依頼をいただきました。
20代の男兄弟のお二人が、6年前に亡くなられたお父さんの遺骨を、ご家族7名で見送りたいと、乗船散骨を希望されました。
お父さんのご遺骨は、これまで中津市のご自宅で大切に供養されていたそうです。長男の方が保管されていて、「節目のこのタイミングで、自然に還してあげよう」と兄弟で話し合い、今回の海洋散骨を決意されたとのことでした。
当日は、お母さん、お二人の奥さま、そして長男の息子さん(6歳)も一緒に、7名全員でご乗船されました。実は少し風がある日ではありましたが、ご家族全員の予定が合う日が限られていたこともあり、「今日を逃したら難しい」と出航を決断されました。すると運よく、風は次第におさまり、穏やかな波の中でお父さんを見送ることができました。
海に遺骨を還す時間は、ご家族にとって特別なひとときでした。散骨後の献花の時、花を海に流すと、波に乗ってお花がまっすぐ流れていき、それを見た6歳の男の子が「まるで花の道や」とつぶやいた言葉が、とても印象的でした。その一言に、スタッフも胸がじんと温かくなりました。
海洋散骨は、ただのお別れではなく、「人はいつか死んで、自然に還る」という命のつながりを感じられる体験でもあります。6歳の男の子にとっても、きっと「死」について自然に触れる、かけがえのない経験になったことでしょう。風に吹かれながら無邪気に笑うその姿は、大人たちの心もやさしく癒してくれていたように思います。
今回、中津市のご自宅までご遺骨をお預かりに伺い、事前に丁寧に乾燥・粉骨し、水に溶ける袋にお納めしました。当日までの準備も、ご家族の大切な時間の一部としてお手伝いできたこと、心より感謝しています。