お墓を持たない選択として注目されている「海洋散骨」ですが、もともと、「先祖のお墓」という概念は火葬が浸透してから(戦後以降)の文化と言われています。大分県では昭和40年代頃までは、まだ、「土葬」が行われる地域も多かったそうです。火葬が浸透する以前は、ほとんどの人は亡くなると土葬されてきました。つまり、自然に還っていくのでお墓を引き継ぐ必要は無かった訳です。昔からお墓で先祖供養をしていた訳ではなく、仏壇(位牌)で行っていた歴史が日本にはあります。墓参りではなく、位牌でお参りしていたのです。お墓に遺骨を納めお墓参りに行くという習俗は、昭和の時代に始まったと言われます。お墓参りは決して伝統的なものではないのです。
今回、お手伝いした海洋散骨は、父と娘が、亡くなった母(奥様)を見送りました。「将来墓を守っていく男性のいないご家族」は、お墓を新しく作るより自然葬を選ぶ方が増えています。
時代は変わっています。墓のありかたも同様です。お墓の面倒を見る人がいなくなることが分かっている人は、海洋散骨を選んでいます。いまお墓がある家でも、それほど遠くない未来に「墓じまい」をする必要があるのかも知れません。少子高齢化時代、新しくお墓を建てるべきなのかを考える時代になりました。
最後に、今回ご案内した父娘さんから下記の感想を頂きました。↓