
―大分県内でも実際に起きている相続トラブルとは?―
相続手続きでは、亡くなった親の「出生から死亡まで」の戸籍を集めます。
しかしこの時、家族が知らなかった“意外な事実”が明らかになるケースが大分県内でも増えています。
• 実は前婚があった
• 認知した子がいた
• 養子縁組をしていた
• 非嫡出子の存在が判明
• 相続人が増えることで分割が難航する
など、戸籍を取り寄せた瞬間に家族が驚く事例は少なくありません。
今回は、大分県内で実際に起きた事例を交えながら、“意外な相続人が判明した場合の対処法”を解説します。
■事例① 大分市
親に「認知した子」がいたことが判明したケース
●状況
大分市の男性Aさんが亡くなり、相続人は妻と子ども2人のはずでした。
しかし戸籍をさかのぼると、20代のころに認知した子が1名いたことが判明。
家族は誰も知らず、突然「知らない相続人」に連絡しないと、
遺産分割ができない状況に。
●お悩み
• どうやって相手に連絡すればいい?
• 急に相続の話をしてトラブルにならない?
• 遺産分割が止まったまま…。
●専門家による解決策
行政書士が第三者として間に入り、相手方へ正式な文書で連絡。
感情的な対立を避けながら、
• 法律上の相続権
• 必要な手続き
• 話し合いの進め方
を丁寧に説明したことで、円満に協議が進行。
“家族だけで話し合いを進めると、人間関係にヒビが入ってしまうケースも。専門家に相談することも重要です。
■事例② 別府市
親が「前妻との間に子ども」をもうけていた
●状況
別府市のBさんが亡くなり、長女が戸籍を集めたところ、
親には前妻との間に子どもが2人いたことが判明。
離婚後、全く交流がなく、
「そもそも今どこに住んでいるのかさえ分からない」。
●お悩み
• 行方不明の場合はどうする?
• 相続が止まってしまうの?
• 相続放棄させられる?
●専門家による解決策
• 住民票・戸籍の附票等で所在を調査
• それでも不明の場合は「家庭裁判所の不在者財産管理人」の申立て
• 手続き停滞を避けるため、専門家が遺産調査や書類収集を代行
前妻の子にも相続権はあるため、無視して手続きを進めることはできません。
“相手が行方不明” でも相続は進められます。
手続きの流れを熟知した専門家の関与が不可欠です。
■事例③ 由布市
親が「養子縁組」をしていたことが発覚した
●状況
由布市のCさんのケース。
戸籍をさかのぼると、若い頃に養子縁組歴があり、
その養子が現在も法律上の「子」として扱われることが判明。
家族としては
「そんな話、聞いたことがない…」
という状況。
●お悩み
• 養子にも相続分があるの?
• 実子との割合は?
• 養子と話し合うべき?
●専門家による解説
養子は法律上「実子と同じ相続分」です。
そのため、
実子3人+養子1人 → 1人の相続分は4分の1
話し合いが複雑になるため、行政書士が
• 連絡文書の作成
• 協議書の作成
• 相続関係説明図の作成
を担当し、スムーズに分割が完了しました。
戸籍で“意外な相続人”が判明したときの流れ
【1】出生から死亡までの戸籍を収集
↓
【2】想定外の相続人が見つかる
↓
【3】関係性・相続分を確認(相続関係説明図を作成)
↓
【4】相続人全員へ連絡(専門家が間に入ると安全)
↓
【5】遺産分割協議へ
↓
【6】協議書を作成し、手続きへ
相続手続きをスムーズに進めるためのポイント
① 必ず「出生から死亡まで」戸籍を集める
中途半端に取得すると、相続人を見落としトラブルに発展します。
② “知らない相続人” との連絡は、家族だけで行わない
感情的なトラブルが最も起きやすい場面です。
行政書士・弁護士など第三者も交えることをおすすめします。
③ 行方不明でも相続は止まらない
不在者財産管理人制度で前に進めることができます。
④ 戸籍調査は専門性が高い
大分県内でも、
「自分で戸籍を集めたが、読み方を間違えていた」
という事例が増えています。
特に古い戸籍(明治・大正)や、除籍・改製原戸籍は非常に読みづらいため、
専門家が確認することで誤りを防ぐことができます。
終活や相続、墓じまい、海洋散骨のご依頼は当協会まで
親が亡くなって初めて戸籍を取り寄せ、
家族も知らなかった事実が判明する
というケースは大分県でも珍しくありません。
しかし、驚く必要はありません。
大切なのは、
✔ 法律上の相続人を正確に把握する
✔ 連絡や説明は第三者(専門家)に任せる
✔ 冷静に手続きを進めるための体制を整える
この3つ。
戸籍で予想外の事実が見つかった場合でも、
専門家のサポートがあればトラブルなく相続を完了できます。
そのほか、終活についてお悩みがあれば、当協会にお気軽にお問合せください。ご本人やご家族の気持ちに寄り添った終活の形をご提案します。

