「グリーフケアとアルフォンス・デーケンの『悲嘆12のプロセス』」
心理学者アルフォンス・デーケンの提唱する「悲嘆12のプロセス」について。この理論がどのようにしてグリーフケア(喪失に対するケア)に役立つかについて探求していきます。
悲嘆(ひたん)は、私たちが経験する可能性のある喪失のことです。それは、愛する人の死亡、離婚、失業、病気といった出来事によって引き起こされます。この喪失に対してどのように向き合うかは、私たちのメンタルヘルスと幸せに大きな影響を及ぼします。ここで重要なのは、悲嘆のプロセスを理解し、それを通じて自分自身と他人に対する深い理解と共感を育てることです。
- 精神的打撃と麻痺状態:悲しみに直面し、頭が真っ白になったような衝撃を受ける段階。
- 否認:次に、現実からの逃避として否認が起こることがあります。これは一時的な防衛反応であり、グリーフケアの中で理解し、共感するべきポイントです。大切な人の死を認めることができず否定する段階。突然死の場合は、否認が顕著に表れる。
- パニック:否認が薄れると、喪失の全容が明らかになり、私たちは深い不安やパニックを経験することがあります。死を確信するが、否定したい感情が合わさり、パニックとなる段階。
- 怒りと不当感:喪失の不公平さを感じ、怒りや不当感を抱くことがあります。「なぜこんな目に合わないといけないのか」という不当感と、死に至った原因に対し怒りを感じる段階。
- 敵意とうらみ:悲嘆の一部として、敵意やうらみが表れることがあります。周囲の人や故人に対して、やり場のない感情を敵意という形でぶつける段階。
- 罪責感(後悔):この段階では、「もしも私が違う行動をとっていたら」という後悔の感情や罪悪感が生じることがあります。
- 空想形成ないし幻想:現実の苦しみから逃れるために、私たちは幻想や空想に逃げ込むことがあります。故人がまだ生きているかのように思いこみ、実生活でもそのようにふるまう段階。
- 孤独感と抑うつ:この段階では、深い孤独感や抑うつが訪れます。葬儀などが一段落し、途端に寂しさが募る段階。
- 精神的混乱:混乱や無関心は、喪失の重みを持て余す結果として生じます。生活目標を見失い、どうしていいか分からず、関心を失う段階。
- あきらめ→受容:最終的には、現実を受け入れ、喪失を認める段階へと移行します。自分の置かれた状況を受け入れ、つらい現実に向き合おうと努力が始まる段階。
- 新しい希望(ユーモアと笑いの再発見):ここで、新たな希望が芽生え、再び笑顔を取り戻すことができます。大切な人の死という永遠に続くような苦しみも、いつかは必ず希望を見出すことができると思える段階。
- 立ち直りの段階(新しいアイデンティティの誕生):最後に、自分自身を再定義し、喪失を乗り越えて新しい人生を始める段階がやってきます。悲嘆のプロセスを経て、新たなアイデンティティを獲得します。
この「悲嘆12のプロセス」は、悲嘆が一方通行の直線ではなく、往復する道程であることを教えてくれます。一人ひとりの経験は独自であり、これらの段階を経験する順序や速度は異なることを理解することが重要です。
グリーフケアの中で、これらの段階を理解し、対話や共感を通じて支えることが大切です。悲嘆の過程は個々の経験によって大きく異なるため、一人ひとりのニーズに対応するための包括的なサポートが求められます。それがカウンセリング、ヒーリング、コーチングを通じて提供されるサポートです。
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大分で悲しみのカウンセリング/グリーフケア・悲嘆から次のステージへ
大分県大分市で悲しみ専門のカウンセリング/ヒーリング/コーチングをしています。本当にカウンセリングで心が軽くなるのだろうか?苦しい状況を乗り越えるということは本当にできるのだろうか?そんな疑いがあるかもしれません。しかし、どんな別れも、死別...