檀家(だんか)という言葉を聞いたことがあると思いますが、お寺には檀家制度というものがあります。
あるお寺に属して、亡き故人の法要や供養を営んでもらい、所属している寺院にお布施(経済的な支援)を行う制度を檀家制度といいます。
その昔、村人たちの生死の届け出は「お寺」がやっていた時代がありました。
つまり、現在の役場の代わりにお寺がその村の人口を把握する役割をしていたのです。
亡くなったばかりの方の枕元で、お坊さんがお経をあげることを枕経(まくらぎょう)と言います。じつはこの「枕経」は、本当に死んだかどうかの確認をお坊さんがしていたのです。現代では、お医者さんがその役割を担い、死亡届を役所へ出しています。
村人ひとりひとりが所属するお寺があり、お寺が役所のようにその村の人口を管理していたのです。その名残りが「檀家(だんか)」制度なのです。
この檀家制度は専属なので、他のお寺との掛け持ちはできないことになっていました。
最近では、宗教離れの影響で、宗派や檀家寺院を知らない(檀家なのかもわからない)人も増えてきました。どこの宗旨にも属さない無宗教の人も増えてきました。
寺離れは、悪いことでしょうか?
昭和の時代、戦後くらいまで、日本の基幹産業は「農業」でした。その後、高度経済成長期には、2次産業、3次産業が増加し、現在では15歳以上の男女の95%が2次産業、3次産業に就業しています。
つまり、生まれた土地で一生を終える人が少なくなってきたということです。
仕事をするために都会へ出て、都会で結婚して家族を持ち、家を建て、生まれた土地で過ごすことのない単身世帯が増加した時代背景に、「寺離れ」が悪い事と言えるでしょうか?むしろ、時代に沿った自然の流れというべきではないでしょうか。
新しい時代に合った葬儀、葬送、お墓の在り方も変化しています。
自然葬=海洋散骨は昔にかえる埋葬方法?
大分県では平成2年まで土葬されていたという記録があります。つまり、昔は土葬が一般的で、自然に還る選択をしていました。自然葬は自然に還る選択なので、お墓は要らない考え方です。少子高齢化、人口減の日本では、お墓を持たない選択も選ばれるようになりました。