埋葬されるイメージ
死後の世界、自分はまだまだ…と思っていても、人生どのタイミングで何が起こるか分かりません。
家族のためにがむしゃらに働いて、自分がいなくなった後は子・孫まかせ…これは数十年前の話です。
核家族化がすすみ、お墓や葬式に対する価値観も変化しています。昭和から平成へ、そして令和へと、価値が変わっている現実があります。
家族のつながりを期待して葬式や法要を考えるのが当たり前だった時代から、「今を楽しく」「自分らしく」…家族以外のつながりや夫婦・個人ベースで弔われかたを考える人が増えているのです。
お墓に対する考え方も人それぞれの時代へ
「私はお骨になってまで姑(しゅうとめ)や先祖に縛られたくない、1人がいい!自由が良い!」
というご年配の方も、実は増えてきました。姑や旦那さんと同じ墓に入りたくない女性も増えています。
健康寿命や平均寿命がどんどん延びている長寿国日本には、つれあいを無くしてお一人様になる人も多いです。
一人になったとき、配偶者が守ってきたお墓はどうしますか?自分の両親を納骨している家墓、どうしましょうか。お墓や法要にまつわる、いろんなトラブルを避けるためにも、生前にご自身で「どうしたいのか」をしっかりと決めておくことをオススメします。
残された人が戸惑わないように、また、自分のイメージを叶えてもらうために、自分の意思はエンディングノートや遺言で残しておきましょう。
まずはここから「お墓はありますか?」
お身内や親族、つれあいの家系にお墓はありますか。
自分が墓を継ぐ予定があったり、その墓に入りたいと思っている、そして子供などお墓を継ぐ人がいるのなら、今あるお墓を大事に守るのが、ベストな選択でしょう。
もし、先祖代々のお墓がなくても、
墓石のあるお墓に埋葬されたい・承継者がいる・子供にお墓を継いで欲しい、
と考えているなら、新しいお墓を建てる前に、承継者となる人を中心に周囲の人とよく相談をしておきましょう。
先祖代々の墓がないなら
今現在、お墓を所有していない人は、
①お墓に埋葬されたいか、または
②遺骨を自然に返したいか、もしくは
③遺骨を手元に置いて故人のそばにいたいか。
この3つのうち、どれがあなたの思いに一番近いか考えてみましょう。
墓石のあるお墓に入りたいなら、生前墓地を準備しておくことになります。ただ、霊園や墓地によっては、遺骨がなければお墓を建てられないというケースもあるので注意しましょう。
遺骨は自然に返したい!と思うなら
これまでは、「先祖は静かにお墓で眠り、お墓参りに来ればいつでも会える」という考え方が中心的でしたが、墓にとらわれない考え方に関心が高まってきました。
墓納骨にこだわらない自然葬が良いと思うなら、家族や友達知り合いがお参り出来る場所が必要かどうか、を基準にしてまず考えてみましょう。
仮にお参りをする場所があったほうが良いと思うなら樹木葬、お参りの場所は必要ないと思うなら海洋散骨という方法があります。
ただし、海洋散骨をした後には遺骨を戻すのは不可能です。後でお墓に埋葬することもできなくなります。
少しでもお墓に埋葬する可能性があるなら、海洋散骨=自然葬を慎重に考える必要があります。
分骨という方法もあります
遺骨は、一体分すべて埋葬しなければいけないというわけではありません。慣習によっては火葬した後に一部の骨だけ納骨をするところもあります。
もちろん、家族が望めば、遺骨の一部を手元に残して供養をすることもできます(手元供養といいます)。
永代供養や納骨堂を選択するときの注意点
一度合葬されると、個人だけの骨を取り出すことはできません。
寺院や合葬墓や納骨型樹木墓、単独墓などがありますが、永代供養墓では、三十三回忌を終えたら合葬を行うところも多いので、まずは「どのタイミングで合葬されるか」「半永久的に遺骨を個別収蔵してもらえるか」など、お寺・霊園で確認をしておきましょう。
参考資料 文献
『葬儀・法要・相続・お墓の事典』著者:浅野まどか 株式会社西東社出版
『お坊さんがイチから教える!葬儀・法要・お墓・仏壇のすべて』監修:現代の葬儀を考える僧侶の会 株式会社主婦の友社発行 2018年
『まんが墓活 それでどうする、うちの墓?』著者:井上ミノル 株式会社140B発行 2019年出版
『シンプルでもきちんとしたいー小さな葬儀と墓じまい』監修:大野屋テレホンセンター 株式会社自由国民社発行 2016年出版