知人や仕事の繋がりがある方々が亡くなった際、会葬をするシーンが少なくなったと感じませんか?
近年、大々的に葬儀を行わずに親族だけで行う『家族葬』や、企業従業員と限られた関係者だけで行う『小さな葬儀』が増えています。
通夜と葬儀の連絡を受けても、「家族(関係者)のみで葬儀を執り行います」と、一文添えられることもめずらしくなくなりました。
では、以前から行われていた一般的な葬儀と急増している家族葬は、どんな点が異なるのかをここで一度整理しておきましょう。
終活を考えている方、またエンディングノートを作る途中の方の参考にしてもらえると幸いです。
時代と家族構成の変化に沿った形が”家族葬”
「結婚式と葬式はケチケチするものじゃない!」と言われたのはもう、ひと昔前のこと。
盛大な結婚式や葬儀式典を望むのは、高度経済成長期からバブル期の団塊世代の方が多いのではないでしょうか。
ただ、冠婚葬祭にかかるお金の額と想いの強さが比例するわけではありません。
同居する家族構成も、2世代から夫婦へ、または単身が増えてきました。そして、葬祭場での通夜と葬儀のセットが今やスタンダードとなりました。
分家の親族が一斉に本家へ集まって、近所の人に手伝ってもらいながら、民家で葬儀を行うほうが珍しい時代といえます。
ここ数年の間に、結婚式やお葬式(墓地)の料金やサービスを比較するwebサイトが登場し、利用者も増えてきました。
「身の丈にあった料金で、よりよいサービスを受け、思い出に残る式を…」
これが、今の時代に合った考え方だといえるかもしれません。
ポイント1:親族や参列者に理解してもらえるか
時代の変化とともに、生活や行事はもちろんですが、葬儀の形も変わってきました。
しかし、葬儀には世代をまたがった関係者が参加(参列)する、というのが1つ大きなポイントです。
葬儀で弔われるのは、喪主より前世代の方が多いことでしょう。その式を執り行うのは若い方。参列者は今風な考え方の人もいれば、昔からのしきたりや慣わしを守りたい人もいるということです。
参列する方々は、式の進行や行いそのものに苦言を呈す人はそういないでしょうが、遺族の方々の中でこの考え方にズレがあると、後々にまで尾を引く親族間トラブルになりかねません。
葬儀が終わった後まで、しこりやグチ、不満を親族の間で残さないようにするには、やはり
・生前にきちんと意思表示をすること。
・考え(理想の葬儀)を身内で共有しておくこと
・希望だけでは叶わない(トラブルになりそうな物事)を話し合っておくこと
この3つをおさえておきましょう。
ポイント2:地域性が大きく関係します
首都圏では特に単身の若者人口がとても多いですが、地方は2世代世帯も多くおじいちゃんおばあちゃんと同居する家族もあります。
郡部と呼ばれる田舎では、その地域に昔から伝わる風習や慣わしが多かれ少なかれ有るものです。
全国的にみて通例と思われる行いが、その地方に限ってはイレギュラーだということもあるでしょう。
長らくその地に住んでいる年配の方たちにとっては、近所の手前や世間体を心配し、家族葬を良く思えないこともあります。
筆者は、2~3世代ほど前からその土地にずっと住んでいるような方が多い、大分県のいわゆる田舎で暮らしています。
家族葬もできる葬祭場が近所で増えているのに、参列したその地域の人が「葬祭場を使うなんて」「家葬しないなんて故人がかわいそう」と話している姿を見ると切なくなるものです。
万人が納得する100点満点の葬儀など、きっとありません。
それでも、残された喪主のその後の生活も考えながら、故人を弔う方法を考えることが大事です。
ポイント3:費用やお別れの時間は家族葬にメリットあり
一般葬を執り行う親族は、参列者や弔問者の対応や香典返し、夜通しそばにつき添う飲食準備など、時間とお金をたくさん要します。
家族葬なら、親しい人や身内ばかりなので、対応にそれほど気を使わずにお別れまでの時間を充分取ることが出来るでしょう。
葬儀の費用や時間を考えれば、家族葬の方がメリットは高いです。
また、家族葬には決まった形がないので、宗教の形式でも行えますし、故人や遺族の希望や想いをそのまま式にすることが出来ます。
葬儀やお墓の話を生前にするのは縁起が悪い、という人もいます。
しかし、故人とのお別れをする大切な時間を、どのように過ごし送り出すか。この話は生前でなければすることができません。
故人を偲びながら残された遺族が望む形で執り行えるように、現実に起こることだと前向きに受け入れて話をしておくことをおススメします。
葬式をしない選択肢
直葬という言葉をご存知でしょうか?
お葬式をしない、火葬だけのことを直葬(ちょくそう)とか、火葬式(かそうしき)と言います。
あなたが亡くなった場所(多くは病院や介護施設、老人ホームなど)へあなたのご遺体を火葬場までお連れする車がお迎えにきます。この車は葬儀社が執り行います。
法律では、亡くなって24時間安置してから火葬するというルールがあります。そして、安置する場所は葬儀社の安置場、もしくはご自宅となります。多くの場合、病院や施設は24時間の安置を望まないので、あなたが亡くなったらすぐにあなたは葬儀社かご自宅へ移動させられます。
そこで、あなたは棺桶に移されます。直葬だけのプランであれば、相場は15万円~の費用が必要です。納棺師がつくプランは25万円ほどでしょうか?納棺師がつくと、あなたは綺麗な服に着替え、体を拭かれ、軽くお化粧をされます。棺桶には生花が飾られるでしょう。
さらに、 読経供養などの宗教者をいれると35万円ほどになることでしょう。
直葬にもプランがあるのですね。
直葬のメリットは、友人や知人などの訪問を受けることなく、家族だけで弔う、シンプルな葬送ができることです。親の交友関係を知らない子供たちを混乱させることもないと言われています。
お墓を持たない自然葬とは
最近では、お墓を持たない海洋散骨が全国で注目されています。
この海洋散骨、じつは、自然葬の1つです。
昔は自然葬が一般的。じつは、現在でも世界では自然葬が一般的です。
高度成長期にお墓の中に骨壺を入れる家墓が一般的になったので、案外しられていませんが、、、。
その自然葬がいま、見直されています。