自然葬や合同葬に必要な”粉骨”の流れと費用について
遺骨を粉骨するとは?
”粉骨”とはその字のとおり、亡くなった方の遺骨を粉状に砕くことです。
葬儀が終わったら火葬をして、故人1人分の骨壺を家墓に納骨するというのがこれまで一般的でした。(火葬した骨の全部が骨壺の中に入り切りません。骨壺に入りきれなかった骨は火葬場の方で処理されます。)
近年はお墓を持たずに遺骨を粉末状にして手元供養をしたり、家族で分骨してアクセサリーにして肌身離さず持っておく、という人が増えてきています(元smapの中居さんがジャニーさんの遺骨を分骨してもらったという話もありましたね)。
また、墓に入らず自然に還る”散骨”も注目を集めています。
埋葬や供養に対する考え方の幅が広がってきたことで、遺骨をそのままの形で残さずに粉骨するというニーズが高まっています。
粉骨をする方法は2つ
ご遺体を火葬して、墓に一度も納骨をしていない場合は、遺骨が乾燥しているのでそのまま粉骨することができます。
墓じまいや改葬をするタイミングで粉骨を希望する場合、遺骨が水で濡れて湿気を帯びていたり汚れていることが多いので、乾燥をしてから粉骨の行程に入ります。土葬の時代の遺骨の場合は、一度骨を焼いて粉砕しやすくする必要があります)←焼骨は、お近くの石材店にご相談してみてください。
なお、粉骨加工ではそれが骨だと分からないような大きさ(2mm以下)にまで、細かく遺骨を砕く必要があります。
粉骨を行う方法は、①専門の業者に依頼する ②遺族が自ら行う の2つです。
専門の業者に依頼する
粉骨を専門に行う業者に依頼をすることができます。粉骨のみを専門に行う会社や、散骨、分骨後の弔いまでを引き受けてくれる業者などもあります。
粉骨加工をする会社では、専用の機械を備えていますが、機械を使って砕くと均一で見た目も細かく整った粒子状になります。
遺骨を業者に送って粉骨加工した後に発送する、または遺骨を持ち込む、いずれかの方法で遺骨を業者に委ね、粉骨します。
大分県では一般社団法人まるっと終活大分支援協会がお手伝いしています。
遺族が自ら行う
人の手で粉骨を行うことも、もちろんできます。業者でなければ出来ないということもありませんし、事前の許可なども不要です。
まず、袋に遺骨を入れた状態で、粉砕するための工具などを用いて砕いていきます。その後に、すり鉢などを使って粉状になるまですりつぶしていきます。
ただ、骨と認識できないほどの粉の状態にするには相当な時間がかかりますし、一部の骨は砕きづらく非常に硬いため体力面でも非常に大変な作業となります。
粉骨にかかる費用は
もしかすると、火葬した直後のような形がある遺骨を保つのが(将来的に)難しくなって、いつかは粉骨をしなければならないといった時代になるかもしれません。
粉骨の加工には一体どれくらいの費用がかかるのか、あなたの弔われ方とかかる費用に大きく関係してくる部分です。
業者に依頼した場合
日本には、全国各地どこからでも粉骨の依頼を受ける業者がいくつもあります。骨壺に入った状態で遺骨を送り、加工が終われば業者からふたたび送り返されてきます。
この場合、送料を含めて3万円~5万円程度の業者が多数あります。
しかし、別途乾燥が必要になる場合もあるなど、遺骨の状態によって料金も変わりますので慎重に選んで決めましょう。
そして、利用規約やサービスの内容をしっかり確認しておくことをオススメします。
粉骨を遺族が行った場合
遺族の手で粉骨加工を行う場合は、(必要な工具や入れる袋など備品をそろえる費用のほかに)かかる料金はありません。
ただし、遺骨が水に浸かっていたり湿気がある状態では粉骨を行えないので、十分に乾燥させてから作業を行いましょう。
参考資料
『よりそうのお葬式』 遺骨を粉骨するまでの手順とかかる費用
『株式会社和光商事 和光葬儀社』【連載】粉骨加工の基礎知識
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