
背景:親が亡くなった後に直面する二つの問題
親を見送った後、多くの家庭で直面するのが「お墓」と「仏壇」の問題です。
- 誰も実家に住まなくなり、仏壇を維持できない
- 子ども世代が県外に住んでいて、お墓を守れない
この二つを同時に解決しなければならないケースは珍しくありません。実際、大分県でも「仏壇処分と墓じまいを一緒にお願いしたい」というご相談が増えています。
実例:60代のご夫婦のケース
大分市在住の60代ご夫婦。ご両親が建立したお墓には祖父母と両親が眠り、実家には大きな仏壇がありました。しかし、子どもは県外で家庭を持ち、今後この土地に戻る予定はありません。
- 「自分たちの代で整理をしておかないと、子どもに負担をかけてしまう」
- 「仏壇もお墓も、いずれ誰かが片づけなければならない」
そう考え、ご夫婦は仏壇処分と墓じまいを同時に依頼されました。
手続きの流れ
- 菩提寺に相談し、閉眼供養を依頼
仏壇とお墓、両方について僧侶に魂抜きをお願いしました。 - 仏壇の整理と処分
位牌や遺影を残し、仏壇本体は専門業者が引き取り。 - 墓じまい作業
石材店による墓石の解体撤去。納骨室から取り出した遺骨は自然へ。 - 新しい供養方法へ移行
遺骨は一部を手元供養に残し、残りは海洋散骨で自然に還すことを選択。
ご夫婦の声
「正直、最初は“お墓も仏壇もなくすなんてバチが当たるのでは”と迷いました。でも、住職に閉眼供養をお願いし、家族で感謝を込めて手を合わせたことで心が軽くなりました。子どもに“自分たちの代で整理してくれてありがとう”と言われた時、間違っていなかったと確信しました。」
費用の目安
- 仏壇処分(閉眼供養別):3〜6万円
- 墓じまい(墓石撤去+閉眼供養):20〜50万円
- 海洋散骨:6.6万円~
トータルで数十万円の費用がかかりますが、後世に残す負担を考えると大きな安心につながる投資といえます。
まとめ:同時に行うことで得られる安心
仏壇処分と墓じまいは、いずれも「誰かが必ず整理しなければならないもの」です。
別々に進めると、費用も手間も二重にかかってしまいます。同時に行うことで、費用を抑え、心の整理もスムーズになります。
「仏壇処分+墓じまい+海洋散骨」という組み合わせは、大分でも着実に広がっています。
親のいない世界を生きるための「新しい供養の形」として、後悔しない選択肢の一つです。