
大分で暮らす方から、こんなお悩みを伺います。
「自分が亡くなった後は、お墓に入らず海洋散骨をしてほしい。だけど、家族にどう切り出したらいいのか分からない」というものです。
たしかに、大分は古くから墓地やお寺とのつながりが強い地域であり、「お墓を守るのが当たり前」という感覚を持つご家族も少なくありません。そんな中で「海洋散骨を望んでいる」と伝えることは、反対や戸惑いを招くのではないかと心配になるのは自然なことです。この記事ではこんなお悩みへのアドバイスをお伝えします。
家族のことを思うからこそ、言い出せない…
海洋散骨を望む理由は人それぞれです。お墓の管理を子どもに負担させたくない、自然に還りたい、海が好きで思い出が多い――。しかし、こうした思いを抱えながらも「家族が寂しいと思うのではないか」「伝統を大切にしている親戚から反対されるのではないか」と考えて、つい胸の内にしまい込んでしまう方が多いのです。
結果として、何も伝えないまま亡くなってしまうと、残された家族は「どう供養してあげればいいのか」と迷い、かえって心残りになってしまうケースもあります。
解決のための第一歩 ― 気持ちを整理して伝える
まず大切なのは、「なぜ海洋散骨を望むのか」という自分自身の理由を整理することです。例えば、
✅子どもに墓守の負担をかけたくない
✅自然に還りたいという希望
✅生前よく海を訪れていたから
こうした背景を素直に言葉にしておくと、家族も「そういう気持ちだったのか」と理解しやすくなります。単に「散骨してほしい」と伝えるより、理由を添えることが大切です。
少しずつ切り出す工夫も大切
いきなり「私の供養は海洋散骨で」と切り出すと、家族も驚いてしまいます。まずは「最近、海洋散骨を選ぶ人が増えているらしいね」「お墓にこだわらずに供養する形もあるみたい」と世間話の延長で話題に出してみましょう。そこから「実は自分も少し考えていて…」と続ければ、自然な流れで気持ちを伝えられます。
また、お彼岸やお盆など家族で故人を偲ぶ時期に話すのもよいタイミングです。「自分が亡くなった後のことを考えるようになった」と切り出せば、話題として受け入れやすい雰囲気になります。
切り出しにくい場合は、書面にして残す方法も
どうしても口で伝えるのが難しい場合は、「エンディングノート」に希望を書いておく方法があります。法的拘束力はありませんが、家族にとっては大きな指針になります。さらに確実にしたい場合は、公正証書遺言に「散骨の希望」を盛り込むことも可能です。当協会では専門家が相談を受け付けており、専門家に依頼すれば安心して準備できます。
家族にとって大切なのは、「亡き人をどう供養してあげられるか」という気持ちです。散骨であっても、お墓であっても、「心を込めて偲ぶ時間」があれば十分に供養になります。大分の美しい海は、多くの人の思い出を包み込む場所です。「海に行けばいつでも会える」と考えれば、むしろ心のよりどころになる場合もあるのです。
終活や相続、墓じまい、海洋散骨のご依頼は当協会まで
「自分が亡くなったら海洋散骨してほしいけれど、家族に言い出せない」というお悩みは、多くの方が抱える共通の不安です。きちんとステップを踏めば、気持ちは必ず伝わるでしょう。
お墓にこだわらなくても、亡き人を想う気持ちは形にできます。大分の海に抱かれて眠りたい――その思いを安心して家族に伝えることこそが、あなた自身と家族の心を支える供養につながるのです。
まずは家族と話し合うことから始めてみてください。そして、不安や疑問がある場合は、専門家に相談するのが安心です。 そのほか、終活についてお悩みがあれば、当協会にお気軽にお問合せください。ご本人やご家族の気持ちに寄り添った終活の形をご提案します。