私たちは大分で活動する有志の団体です。 『私のお墓体験談』
先日、亡くなった御主人のお見送り(貸し切り)海洋散骨の依頼を受けました。阿南さん(大分市富士見が丘に住む76才の女性)は、3年前にご主人を癌で亡くされました。ご主人の遺骨は自宅で供養していたそうです。
阿南さんには1人娘がいますが、結婚して千葉県に住んでいます。 先日、そんな阿南さんが当協会に相談に来ました・・・・・・
思えば、新日鉄に勤める主人と結婚し娘が産まれ、2人でがむしゃらに働き1人娘を育てて何とか毎日を過ごしてきました。念願の一軒家を富士見が丘で購入し、「家族と家が一番大事」と言っていた主人でした。定年退職後、2人でセカンドライフを楽しもうねと話していたのが懐かしいです。
そんな矢先に、主人に「ガン」が見つかりました。闘病と手術を繰り返した末に、3年前に他界しました。主人が亡くなるまで、「自分はまだまだ元気だ。まだまだ人生はこれから」と思っていました。
主人が亡くなって、楽しい事よりも不安の方が大きくなっていって、気持ちはどんどん落ち込むばかりです。それでも、昼間は楽しいです。お友だちと一緒にカラオケに行ったり、フラダンス教室に通ったりして、不安なんてありません。怖いのは夜です。私は持ち家に1人ぼっちになりました。ふと「1人なんだ」と思った瞬間、寂しさと後悔でだいたい2時間おきに目が覚めてしまうんです。
ずっと一緒にいた主人が居なくなるのは、想像以上に孤独で寂しいものです。
不安が重なって、なかなか前向きになれない。そんな毎日を過ごしています。 手元供養している主人の遺骨があります。お墓はありません。千葉県に嫁いだ娘には負担を掛けたくなかったのでお墓を持たない選択をとりました。しかし、ここで私が旅立ったら私と主人の遺骨はどうなるのでしょう。娘には負担を掛けたくないし、ずっと先延ばしにしていましたが、誰かが決断しないと順送りになります。
そんな時、海洋散骨を知りました。 正直、樹木葬と悩みましたが、樹木葬は結局お墓と同じように残ります。そこで海洋散骨を選びました。不安と葛藤がありましたけど、海がお墓なら千葉県にいる娘も、何かあればすぐ近くの海に行って私たちのことを思い出してくれることでしょうし、海に行けばいつでも会えます。 まず主人の遺骨を海洋散骨してもらいます。そして、私が亡くなった時のために「生前予約」をしました。これで娘も混乱しなくて良いでしょう。私は、あとから主人と一緒になります。楽しみです。 すると、気分がスッキリしました。夜もぐっすりと眠れるようになりました。本当に不思議です。心の荷が降りたとは、このことですね。