大分でも、墓じまいに取り組む人が増えています。少子高齢化の中で、お墓の在り方も、お墓に対する考え方も変化しています。まるっと終活大分支援協会に相談する人たちの中には、「墓じまい」や「海洋散骨」を検討することが、人生を振り返り、家族の絆を思い出すきっかけになる方も多くいらっしゃいます。今回は、60代の女性のエピソードを紹介します。
【目次】
気楽なおひとりさまが、性に合っている
62歳の女性です。もともと結婚願望というものがなく、どちらかというと、他人と暮らすことは苦痛に感じるタイプです。そのため、一度も結婚せず、ずっと実家で暮らしてきました。もちろん実家に生活費は入れてきましたし、両親の介護も経験しました。
仕事に邁進してきたので、それなりの収入もあり、趣味や旅行も楽しんできました。若いころは、子育てに駆け回る友人たちにうらやましがられたこともあります。
私は、そんな彼女たちをうらやましいと思うこともなく、自分に合った生活スタイルを満喫してきました。
少女のような母との幸せな日々
40代で父を亡くし、それからは母と二人暮らしでした。私には弟がいますが、早くに結婚して実家を出ており、それほど交流もない状態でした。
生活が変わったのは、母が80歳になった頃でした。
何度も同じことを聞く…
少し前のことを忘れてしまう…
「え?もしかして…」と考え、受診すると、認知症の初期症状だと言われました。
その後、認知症が進行する母の介護生活に突入しました。
イライラして母に対して声を荒げたこともありますし、排せつの介助は、本当に気が滅入りました。
けれど、少女のようになっていく母が「おいしいね」と笑う姿や、桜を見て「きれいだね」と喜ぶ様子は、とても幸せな瞬間でした。
数年の介護生活を経て、自宅で母を看取りました。大きな喪失感がありましたが、不思議な達成感もありました。
大分の海は私の母
母を看取り、数年たって、ようやく心が整理できたような気がします。私の後に、お墓を継承する人はいませんし、弟や弟の子どもたちに継承する気持ちもないように思います。
というのも、母の介護を通じて弟と何度か衝突したことがあり、弟に対しては、ちょっとしたわだかまりを感じていました。
ただ今回、まるっと終活大分支援協会に墓じまいと海洋散骨について相談し、弟にも私の気持ちを伝えたのです。すると「母さんが幸せだったのは、姉ちゃんのおかげだから。お墓のことは、姉ちゃんの思うようにしたらいいと思う」と返事がありました。長年のわだかまりがほどけたようで、涙が溢れました。
弟とも相談しながら、墓じまいと海洋散骨の手続きを進めようと思います。
そして私自身も、死後は海洋散骨をお願いしようと思っています。おひとり様で、優雅に暮らしてきた人生ですから。亡くなった後も、大分の海で母の胸に抱かれるように、安らかに眠りたいと考えています。
墓じまいや海洋散骨のご依頼は当協会まで
人生の終盤には、介護や看取りなども現実的な問題になっていきます。また、墓じまいや供養について考えることもあるでしょう。こういった人生に深くかかわる課題を考えるとき、多くの人は自分の歩んできた人生を振り返るようです。人生の節目に、墓じまいについて考えてみませんか。墓じまいや海洋散骨についての相談は当協会にお問合せください。