大分で選べる2つの自然葬

お墓を持つことが当たり前とされてきた日本でも、いまお墓の考え方が大きく変わりつつあります。
「お墓を引き継げない」「管理を子どもに負担させたくない」「自然に還りたい」
そんな想いから、自然葬を選ぶ方が増えています。自然葬とは、火葬後の遺骨を墓や納骨堂に収めるのではなく、すべてを自然に戻す埋葬方法の総称です。
大分県でも、自然に還る2つの選択肢が整ってきました。
ひとつは、大分市にある霊山寺(りょうぜんじ)の土に還す自然葬。
もうひとつは、遺骨を海へ還す海洋散骨です。
この「土と海の2つの供養」は、どちらもこれからの社会情勢の変化に対応した新しいお墓のかたちです。
霊山寺の土に還す自然葬
大分市にある霊山寺は、1300年前から続く歴史を持つ古刹です。
ここでは、火葬後の遺骨を粉骨し、そのまま土中に埋葬する自然葬が行われています。
大きな特徴は、骨壺を使わず、土に直接還す点です。
やがてすべてが土に溶け込み、お寺の大地とひとつになります。
「生まれた土地に還りたい」
「次の世代に負担を残したくない」
そんな声に応えます。
この埋葬方法は、合同埋葬のためお参りのための個別の墓標はありません。
けれども、供養の法要や祈りは寺院が責任をもって執り行います。
「お墓を残すより、お寺に任せたい」
そんな人に選ばれています。
海に還す海洋散骨
もうひとつの自然葬が、海洋散骨です。
火葬後の遺骨を粉骨し、船で沖に出て海に還す供養です。
こちらも骨壺や墓地を持たず、物理的に残る場所はありません。
「すべてを自然に戻す」という意味では、最もシンプルで、管理も不要な供養方法といえます。
海洋散骨は、次のような理由から注目されています。
・お墓を継がせなくていい
・管理料や更新料がない
・どこにいても、海を見れば祈れる
特に大分の海は、地元の人にとって身近で親しみのある場所です。
「子どもの頃から海が好きだった」「海に抱かれて眠りたい」
そんな想いを持つ方も多いです。
船を貸し切る「お見送り海洋散骨」では、家族が船に乗り、献花や献酒をしてゆっくりと見送ることができます。船上から花びらが波に溶けていく光景は、静かで清らかな別れの時間です。
2つの自然葬の違い
土に還す霊山寺の自然葬と、海に還す海洋散骨。
どちらも「墓を持たない」という共通点がありますが、感じ方や特徴には違いがあります。
土に還す自然葬(霊山寺) | 海に還す海洋散骨 | |
---|---|---|
遺骨の行方 | 土に還る | 海にすべて還る |
祈る場所 | 観音様 | 場所は残らない |
管理 | 寺院が管理 | 管理不要 |
お参り | 寺で毎月法要 | 海を見て自由に祈る |
費用感 | 35万円〜 | 6.6万円~ |
「やっぱりお寺に供養をお願いしたい」という方には霊山寺が安心ですし、
「何も残さず自然に還りたい」という方には海洋散骨が選ばれています。
供養は形式より想い
「お墓がないと寂しい」「手を合わせる場所がないと不安」
そう感じる方もいるでしょう。
しかし、供養の本質は形ではなく想いです。
土や海という自然に還る方法を選ぶことは、決して“放棄”ではありません。
むしろ、「生きてきた証を自然に返す」という尊い選択です。
これからの供養を考える
戦後、家ごとに墓を持ち、代々引き継ぐのが一般的でした。
でも、家族の形が変わった今、供養もまた変わってきました。
土に還るか、海に還るか。
どちらを選んでも、
「想いを大切にする供養」であることに変わりはありません。
もし「お墓をどうするか」「遺骨をどうしたらいいか」悩んでいるなら、
一度、この2つの自然葬を知ってみてください。
きっと「自分らしい供養」が見えてきます。
土の自然葬
