「遺骨をそばに置いておきたい。でも、いつかは手放さなければいけない」——そんな葛藤を抱える方は少なくありません。
亡き人への思いが強ければ強いほど、「まだ離れられない」という気持ちは自然なこと。そんな気持ちに寄り添う供養の方法が「手元供養」です。ミニ骨壺やペンダントなど、遺骨の一部をそばに置くことで、“いつも一緒にいる感覚”を持つことができます。
しかし、多くの方が時間の経過とともに、少しずつ心境の変化を経験します。
「これ以上は、自分が前に進めなくなる気がした」 「ずっと抱えてきた悲しみを、少し自然に返したい」
そんなタイミングで選ばれるのが、海洋散骨です。
ある女性は、6年間手元供養を続けた母の遺骨を海に還した後、こう語ってくれました。
「遺骨を“手放す”というより、“送り出す”感覚だったんです。自分の執着を、ようやく手放せた気がしました」
手元供養と海洋散骨は、“残された者の心の整理”を段階的に支えてくれ供養の方法です。
まずはそばに置き、想いを深め、語りかけながら心を整える。 そして、心が整ったとき、海へと還す——これは「大切な人と、ゆっくりお別れする」現代らしい供養のプロセスと言えるかもしれません。
手元供養は“別れを急がない供養”。海洋散骨は“自然と一体となる旅立ち”。 どちらも、大切なのは“心の納得”です。ちなみに、海洋散骨は「いつしなければならない」という決まりはありません。火葬の翌日でも、49日後でも、あなたの節目が来たらで構いません。自然葬はいつでもいいのです。
