大分市内のご年配女性からの依頼でした。老々夫婦で過ごしていたそうですが、先日ご主人を亡くされた後、四十九日後に「代行で海洋散骨」を承りました。ご自宅までお伺いしてご遺骨をお預かりし、当協会の商品「手元供養セット」を希望され、海洋散骨+ご遺骨の一部を分骨(取り分けてミニ骨つぼに入れる)。分骨した一部のご遺骨は親指サイズの小さな骨壺の中に納めました。
海洋散骨とは、「お墓を持たない選択」でありながら、昔ながらの自然葬の1つです。昔は、みんな土葬され、その上に木の墓標を立て埋葬されてきました。つまり、自然に還る埋葬です。そして、先祖供養や故人の供養は、仏壇で行われてきました。現代のように先祖墓、家墓を建て供養する方法は、高度成長期に確立したと言われています。お墓の歴史は、みんなが思っているほど長くはないのですね。
時代の変化により、供養のカタチも変化していきます。少子高齢化の現代、お墓のあり方も変わりつつあります。これは、良いも悪いもなく、「社会情勢の変化」です。抗いようもない変化に対して、私たちは柔軟に対応していく必要があるのでしょう。お墓を継げない、管理できない未来が分かっているのに、故人をお墓で供養しない選択=自然葬+手元供養が注目されています。
今回のご依頼主は、代行で海洋散骨のご相談でした。でも、仏壇は持ちたくない。その代わり、玄関やリビングでいつでも愛するご主人に側にいて欲しい、そして毎日のように「いってきます」「ただいま」と声を掛けたい。そんな希望から、粉骨した遺骨の一部をミニ骨つぼに納めて、手元供養セットで自宅に置くという選択をしました。