身寄りない高齢者や、家族が遠方に住んでいたり、信頼できる親族がいない方にとって、「死後事務委任契約」は高齢者施設にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
「死後事務委任契約」を締結することにより、元気なうちに死後の身辺整理の道筋を付けることができます。この契約は、高齢者が亡くなった後に発生する様々な事務を第3者に委任するためのものです。ご本人にとっても安心でしょうけど、利用している高齢者施設、家族などにとっても、身辺整理の内容が契約で明記されていれば対応しやすいというメリットがあります。
✓遺体の引き取り
✓死亡届、親族等への連絡に関する事務
✓利用していた部屋の片づけ
✓葬儀や埋葬の手配
✓各種費用の精算
などなど、内容は人それぞれオーダーメイドで作成されます。
人が亡くなったとき、これらのことをすぐに行うことは非常に大変であり、特に遠隔地に住んでいる家族にとっては困難な場合もあります。死後事務委任契約を結んでおけば、これらの事務は委任した第3者が適切に行うことができます。
高齢者施設側のメリットとは?
死後事務委任契約は、高齢者施設などの受け入れ側にとっていくつかのメリットがあります。
①スムーズな手続き
死後事務委任契約があることで、利用者が亡くなった際の事務手続きがスムーズに行われます。遺体の引き取りや部屋の片づけ、遺品整理などの手続きを専門の第3者が行うため、施設側がこれらの手続きに負担を感じることが少なくなります。
②リスクの軽減
死後の手続きには多くの法的な事項が関わってきます。これらの手続きを専門的に行うことで、法的なトラブルやリスクを避けることができます。
これらの点から、高齢者施設にとって、死後事務委任契約は、業務効率の向上、リスク管理の強化、そして家族との良好な関係維持に役立つと言えます。