近年、高齢化社会の進行とともに、自分の人生の終わり方を自分自身で考え、準備する「終活」が注目を浴びています。終活は自身の死を前提とした活動であるため、少々重いテーマではありますが、これを通じて自分の人生を見つめ直し、人生の最終章を自分らしく迎えることができます。
終活の一部として、特に重要なことが、「死後事務委任契約」です。
「死後事務委任契約」は、自分が亡くなった後に、何が起こるかを具体的に予測し、それを適切に管理する人を指定することで、遺族が迷うことなく進めることができます。子供がいない人、親族が遠方で交流がない人は死後事務委任契約を選択する人が増えています。
子供がいない人、親族が遠方で交流がない人
死後事務委任契約でよく出てくるキーワードの1つに「海洋散骨」があります。これは、火葬後の遺骨を海に散布する自然葬の1つです。海洋散骨は自然環境への負荷を減らし、自然と一体となることを目指す現代の傾向を反映しています。
海洋散骨を選択する理由は人それぞれです。海への深い愛着を持つ人にとって、最後の旅行として海洋散骨を選ぶこともあります。また、エコロジカルな視点からも海洋散骨は選ばれます。自然葬は伝統的な墓地の維持管理に伴う費用や労力を省くことができるため、その点でも魅力的です。
海洋散骨は、お墓をもたない選択です。お墓を管理する必要がないので、子供がいない人や親族が遠方で暮らしている人にとって魅力を感じる埋葬方法です。しかし、海洋散骨を選択する場合は、それを死後事務委任契約に明記することも忘れてはいけません。
終活は、自分の死というテーマに直面することである一方、それは自分の人生をよりよく生きるための活動でもあります。自分自身の意志を明確にし、遺族に負担をかけないように準備をすることは、人生を大切に生きるということの一環でもあります。
「死後事務委任契約」や「海洋散骨」など、終活に関連する事項について事前に考え、準備をしておくことで、ご自身の望む人生の最後を迎えることができるでしょう。