昭和の時代、日本は高度経済成長期を経て人口が増え続けてきました。新しい道路を作り、新しい団地を作り、これまでお墓だった場所も全国の自治体が「市営墓地」「県営墓地」を作り、そこへ引越しをせざるを得ない時代でした。人口が増え、お墓の需要が増え、行政のお墓では「墓地不足」となり、民間の霊園が多く作られたのも昭和から平成にかけての時代の流れです。
そして、令和の時代。人口はどんどん減少し、地方は人口減が続き「過疎化」、そして「多死社会」へ。少子高齢化の時代、政府は2025年問題（2025年には団塊の世代が全員後期高齢者となる）を掲げてはいますが、人口減少は歯止めがききません。
昭和・平成の時代に作られた先祖墓は後継者を失い、墓じまいを考えざるをえない状況が多く見受けられます。
このような背景から、墓じまいを選択する家族が増えています。しかし、墓じまいはただ墓を解体するだけではなく、故人やその遺族、さらには社会全体に対して敬意を払う行為です。そのため、その過程は慎重に進められるべきです。
家族の意見を尊重し、墓じまいに至るまでの経緯を明確にすることが大切です。これは、その墓が一体何のために存在し、何を象徴していたのかを理解し、その意義を尊重するためです。また、故人が故郷やその土地に対してどのような思いを持っていたのかを再確認することも重要です。
墓じまい後の故人を偲ぶ方法を考えることが必要です。これは海洋散骨や樹木葬、共同墓地への移転など、様々な形をとることができます。この選択は、家族の意見、また現代のライフスタイルや価値観に基づいて決定されるべきです。
一族の墓地を維持し、訪れることが困難な遠方に住む家族にとって、墓じまいは現実的な選択となる場合は「海洋散骨」がオススメです。世界は海で繋がっているため、どこに居ても海へ行けば「先祖供養」が可能となるわけです。先祖の遺骨を自然に還す、昔ながらの自然葬の１つです。
