事例報告

佐賀から大分・別府湾へ|三世代8人で母を見送った海洋散骨

佐賀から大分県別府湾へ 三世代8名で母を見送った海洋散骨

「海に行けば、会えるから」

8月のある日、大分・別府湾で、一人のお母様の海洋散骨をお手伝いしました。ご実家は佐賀県。お母様が亡くなったあと、89歳のお父様が一人、佐賀のご実家に残りました。

二人の息子さんはすでに故郷を離れ、長男さんは埼玉県、次男さんは東京都で、それぞれの暮らしを築いています。今回の海洋散骨には、10歳、3歳、1歳のお孫さんも参加し、三世代8名でお母様をお見送りしました。

では、なぜ佐賀県ではなく、大分県の別府湾だったのでしょうか。

目次

なぜ故郷の佐賀ではなく、大分・別府湾で海洋散骨を?

お話を伺うと、別府にはご夫婦にとって特別な思い出がありました。お父様とお母様は若い頃、別府で過ごした時期があったそうです。お墓を持たないご家族が選んだのは、お二人の思い出が残る別府の海に、お母様を還してあげることでした。そして、89歳のお父様にも一つの希望があります。

「自分が亡くなったときも、同じ別府の海へ散骨してほしい。」

先にお母様を見送り、いつの日か自分も同じ海へ。ご夫婦にとって思い出の場所だった別府湾が、これからはご家族にとって二人を想う場所にもなっていきます。海洋散骨では、「現在住んでいる場所」や「お墓のある場所」だけでなく、故人や家族にとって思い入れのある海を選ぶという考え方もあります。今回のご家族にとって、それが別府湾でした。

お父様の希望もあり、まずはお母様を別府湾からお見送りすることになりました。

大分・別府湾での海洋散骨|事例の概要

場所大分県 別府湾
供養の形お見送り海洋散骨(ご家族乗船)
故人お母様(佐賀県)
乗船者お父様(89歳)、長男夫婦(埼玉県)、次男夫婦(東京都)、お孫さん(10歳、3歳、1歳)
大分県別府湾を選んだ理由お父様とお母様が若い頃に別府で過ごした思い出がある。お墓を持たない方針。
お父様の希望自分の時も、別府の海へ散骨してほしい。

小さな子どもも海洋散骨に参加できる?

当日はご家族8名が船に乗り出航しました。その中には、長男のお子様、10歳、3歳、そしてまだ1歳のお子さんもいました。1歳のお子さんには赤ちゃん用の救命具を、3歳のお子さんにも身体に合った救命具を着けていただき、三世代で一緒に海へ向かいました。

乳幼児や子どもの乗船、子ども用ライフジャケットについて、実際の可否は船舶や海の状況、事業者によって異なるため、事前確認が大切です。

海に響いた「ありがとう」

散骨が始まると、ご家族は海に向かって何度も、「ありがとう」「ありがとうね」と声をかけていました。お父様は、海に向かって深く頭を下げていました。その姿を息子さんたちが見ています。そして、その大人たちの姿を、お孫さんたちが見ています。

私はこの光景を見ながら、供養というものは、言葉だけで次の世代へ伝えるものではないのかもしれないと感じました。

親が手を合わせる姿。おじいちゃんがおばあちゃんへ「ありがとう」と伝える姿。小さな子どもたちは、その意味をすべて理解していなくても、家族が大切な人を見送る時間を一緒に経験しています。

実際の映像をご覧いただくことで、ご家族がどのように海洋散骨を行い、どのように故人を見送るのかもイメージしていただけると思います。

お墓がなくても、故人を想う場所はつくれる?

海洋散骨を検討する方から、

「散骨してしまったら、どこにお参りすればいいのでしょうか」

という不安を聞くことがあります。

今回のご家族には、これから「別府の海」という場所が残ります。海を見ながら、「元気にしています」「こんなことがありました」「また来たよ」と故人へ語りかける。お墓とは形が違いますが、故人を想い、近況を報告する時間を持つことも、一つの供養ではないかと思います。海洋散骨を行ったからといって、供養が終わるわけではありません。

ご遺骨をどこへ還すのかと、故人をどのように想い続けるのかは、分けて考えることができます。

家族が離れて暮らしていると、お墓を守るのが難しい

今回のご家族も、佐賀県、埼玉県、東京都と、それぞれ離れた場所で生活しています。現在の日本では、親と子が同じ地域で暮らし続けるとは限りません。そのため、「誰がお墓を守るのか」「子どもに管理の負担を残したくない」「そもそもお墓を持たない」という理由から、海洋散骨を選択肢として考える方もいます。

今回のご家族も、お墓ではなく、ご夫婦の思い出が残る別府湾を選ばれました。暮らす場所は離れていても、家族が故人を想う場所を共有することはできます。このご家族にとって、その場所がこれからの別府の海なのだと思います。

お墓がなくても、大切な人を想う場所はつくることができます。

よくある質問|大分・別府湾の海洋散骨

Q. 海洋散骨には役所への届出や許可が必要ですか?

海洋散骨は、一般的に役所への届出を必要としないとされています。ただし、お墓からご遺骨を取り出して海洋散骨する場合などは、墓地や自治体での手続きが必要になるケースがあります。状況によって異なるため、墓じまいを伴う場合は事前確認をおすすめします。

Q. 遺骨はすべて海へ散骨しなければいけませんか?

いいえ。すべてを散骨せず、一部を手元供養として残す「分骨」という選択もあります。当協会でも、ミニ骨壺、メモリアルボックスなどに一部を残して供養する方法もございます。お気軽にお問い合わせください。

Q. 子どもや高齢者も乗船できますか?

当協会のお見送り散骨では8名様まで乗船でき、ご高齢の方や小さなお子さんが参加される場合は、事前に状況を確認した上で対応しています。今回の事例では1歳、3歳、10歳のお子さんが参加されました。

Q. 天候が悪い場合はどうなりますか?

海洋散骨は船を使用し、天候と直結しているため安全が最優先です。状況によって出航が難しい場合は、日程を変更することがあります。

Q. お花や故人が好きだったものを海へ手向けることはできますか?

献花や献酒を準備しております。故人の好きだったものをご準備する方もいらっしゃいます。ただし、海へ流せるものには環境への配慮が必要です。包装やプラスチック類など、自然に還らないものは海へ流さないことを基本としています。

まとめ|海洋散骨は「どこへ還りたいか」を家族で考える選択肢

今回のご家族は、佐賀県にご実家があり、息子さんたちは関東で暮らしています。それでも、お母様をお見送りする場所として選んだのは、大分・別府湾でした。理由は、ご夫婦が若い頃を過ごした思い出の場所だったからです。

三世代8名で船に乗り、海に向かって「ありがとう」と伝えた一日。海洋散骨という方法だけでなく、「家族として、どのように大切な人を見送るのか」を考えたご家族の実例でした。

お墓を持つことも一つの方法です。海へ還ることも一つの方法です。大切なのは、それぞれの特徴を理解したうえで、ご本人とご家族が納得できる方法を選ぶことだと私たちは考えています。

大分・別府湾で海洋散骨をお考えの方へ

「県外に住んでいるけれど、故郷の大分で散骨したい」「家族で船に乗って、直接見送りたい」「お墓を持たず、海を故人を想う場所にしたい」「高齢の親や小さな子どもも一緒に乗船できるか相談したい」まだ海洋散骨をすると決めていなくても大丈夫です。ご家族の状況やご希望を伺いながら、代行での海洋散骨、ご家族が乗船して直接見送る海洋散骨、手元供養を残す方法などを一緒に整理できます。大分・別府湾での海洋散骨について分からないことがございましたら、当協会までお気軽にご相談ください。

大分県で活動する有志の団体。大分で海洋散骨、自然葬の第一人者
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